後発医薬品使用体制加算は、そろそろなくなるんじゃないかと思っている。安定供給に懸念がある中で、使用割合でにんじんをぶら下げるのは、倫理観か何かが崩壊しているのではないかとすら思う。
一方、限られた医療財源の効率的な利用、自己負担を重く感じる患者に対する選択肢の提供を考えると、後発医薬品の推進は重要。
落とし所は、後発品のある薬剤で先発品を選ぶ場合は、患者の自己負担の調整をするのが良いと思っている。
金額ベースで目標導入するのは少し微妙かな・・・と思いつつも、現状の理解と考えを整理したのが、下記のCBnewsの記事。
金額ベース目標導入で変化する後発医薬品採用戦略 - CBnewsマネジメント
有料記事部分には、徳島・高知の位置がおかしいグラフがある。徳島は有名なので、多くの方がご存知かもしれないが、県の取り組みも興味深い(徳島県後発医薬品適正使用協議会について|徳島県ホームページ)。
今回、元々は生産性向上を切り口に、適切な薬剤費負担をテーマに書こうと考えていた。例えば、キット製剤のメリットは下記のように挙げられている※。
- 薬剤の調製作業が簡素化されることにより,医療従事者の作業効率が向上し,緊急時における迅速対応が可能となる.
- 細菌汚染,異物混入の機会が低減される.
- 投薬調製時の薬剤取り違い防止など,医療過誤防止に有効である.
- 保有する薬剤数を低減でき,在庫管理の負担が軽減され,労力の減少や経費節減となる.
※キット製品について ―特に,TPN 輸液のキット製品について―, 薬剤学, 75 (4), 240-243 (2015)
なので、キット製剤の採用状況を見たら、何か示唆に富むのでと思ったのだが、事情はコロナで複雑になってしまったようだ。下記のようなグラフを準備したものの、うまく原稿はまとまらず・・・。
NDBオープンデータ(第1回~7回)を基に作成 |
キット製剤の比率が上がっていた(瓶・管の比率が下がっていた)のに、2020年度はキット製剤が減ってしまった。これではよくわからないので、今後、対象薬剤を色々変えて、詳細な分析をしてみようか・・・。