医療者、患者の両視点で、とても良い本だと思う。
■患者視点
「医者がどういう論理で動いているか。その裏側を知ることにより、よりよい医療を受けることができる本」
■医療者視点
「医者がどういうことをしてはいけないのか。賢い患者は本質を見抜く力がある。良い医者になるには、どうしたらよいか教えてくれる本」
特に、医療者視点での指摘は、下手な開業支援の本や、マーケティングの本より、本質をついていると思う。本からの引用だが、
患者の話をよく聞くことが本当に大事だなと実感したよ。限られた時間の中で、そういうことができる医者が本当に良い医者なんだ良い医者を見抜く方法を伝授してくれているのだが、この言葉は本当に重い。こういった医療者を、患者が選び、大事にしていかなければならない。
本の最後、こんなことも書いてあった。
医療費に関しても、患者はもっと賢くなるべきです患者が賢くなること。それが、良医を育てる近道だと改めて感じた。
また、この本の中で、若干、学歴偏重のメッセージがある点は、医療者の感じる素直な観点として、興味深い。患者側は、情報の非対称性ゆえ、医療者の技量を測る術がない。そういった意味で参考になるが、個人的にはどこまで参考になるか良く分からない気がする。
この本、患者向けの本としては、ややありきたり感があるものの、医療者側が読む本としては良い本だと思う。