といった話は、とうの昔から、議論されているが、一般市民の目線では、一向に進んでいる気がしない。
例えば、医者に行けば、問診票を書かされ、「現在、服用中のお薬はございますか?」という問が、必ずある。また、「これまで、大きな病気にかかったことはありますか?」なんていう質問も、必ずといってよい。
自分であれば、毎回、毎回、『ぜんそく』にチェックをつける。
これは、自分の情報を、自分で管理することが求められているためである。
理想は、国が管理してくれて、いつどこの病院に行っても、救急車に乗っても、災害時でも、自分の情報を引き出すことが出来る状態にあれば、医療者は、患者の歴史(大病はもちろん、細かな風邪薬の処方まで)を把握することができる。
理想は理想で、非現実的なのか?
この本では、海外の事例を中心に、どのような取り組みがなされているか、紹介している。
国内では、長崎と千葉の地域の事例などが取り上げられている。
我々は、このような社会的インフラが整備されることを、じっと待っていればいいのだろうか?
正直、何年で環境が整うか、まったくわからない。(この本を読んでも、それはわからない)
そんな中で、自分たちができることを考えなければならないのではないだろうか。
我々ができることは、①自分たちがどうありたいか、医療情報のインフラ整備をどう推し進めるべきか、声を上げること、②自分(家族)の情報は、最低限、自分で管理する、の2つではないだろうか。
待つのではなく、ひとりひとりの積極的な姿勢が、社会を変える、そう信じたい。
次世代医療への道 NTTデータライフサポート事業本部 戦略企画室 山下 徹 |