2013/11/03

海外へ進出する病院の”脅威”とは(前半)

医療サービスを受ける目的で外国人を日本に呼ぼうという意味での「メディカルツーリズム」はすでに一過性のものになりつつあるが、日本の医療システムを海外に輸出しようという話が、ここのところ新聞などを賑わせている。

日本の医療を輸出産業にしよう!という構想自体は、昨日今日で突然湧いてきたアイデアでも何でもなく、北原先生が簡潔にまとめられている書籍を読むのが手っ取り早い。

 

この「21世紀に向けての・・・・」は北原先生だけというわけではなく、たくさんの院長・理事長の話が出てくる中の1人として、北原先生の話が載っている。今から15年以上前の内容だが、北原先生のブレていない考え方、冷静なものの見方は何気にすごい。

最近の海外進出のニュースでは、日経新聞が書いた「都立駒込病院のインドネシア進出」の話がある。

公立病院初の海外進出 都立駒込病院、インドネシアでがん治療 :日本経済新聞

ちなみにこのニュース、駒込病院は即否定している。
クリックすると駒込病院プレスリリースのPDFを開きます
何が真実か分からないが、火のないところに煙は・・・である。まじめに考えてはいなかったのだろうけど、冗談か、ただのアイデアか分からないが、インドネシア旅行の話題くらいは出ていたに違いない。

また、三井物産はアジア最大の病院持ち株会社IHH社に出資する形で、病院ビジネスをアジア圏で展開している。
事業紹介 | メディカル・ヘルスケア事業 - 三井物産株式会社

このような、元気のいい日本の病院の海外進出や海外の病院への投資は、人口減少の日本において、組織やビジネスの拡大を狙うためには欠かせないアクションとなるだろう。


自分が病院経営者だったとしよう。突然、近所の病院が海外に進出することになったとしても、ちょっとは驚くものの、別に患者が減るわけでもないし、自分の病院経営が突然悪化するわけではないのだから、それほど神経質になる必要はないだろう。つまり、病院の海外進出は、組織の成長や拡大という観点で、大事な行動であることは疑いのないことなのだが、「どうぞ勝手にやってください」なのだ。

次回、本当の意味での海外進出の脅威・恐怖を書きたいと思う(つづく