2013/11/18

患者にとって「分かりやすい」病院の魅力

日本は医療法の広告規制が厳しい。これは病院側の誇大広告を防ぐ役割を果たしているわけで、いま巷で話題の「偽装」などという話が病院から出てこないもの、この規制のおかげだろう。(時折、医師免許を持ってないのに治療していたなんてニュースもあるが、広告ではないので、それはまた別問題)

一方で、規制が厳しいことは、それぞれの医療機関で、患者に対するアピールが十分にできてないように感じる。例えば、どんなにチーム医療に一生懸命取り組んでいても、施設基準をホームページに書くくらいのアピールや、「取り組んでいます」といった写真付きのページを書くくらいで、それが他の病院に比べ、どの程度違うのか、何が違うのか、具体的なところには一切踏み込めない。

患者からしたら、病院を選ぶ上で大事な内容であり、さらには、施設基準によっては、患者が支払う金額すら違うというのに、具体的な内容が分からないのだ。

下はアメリカのKAISER PERMANENTEのQuality Careのサイト(http://thrive.kaiserpermanente.org/quality-care)に書かれている内容だ。



QUALITY CARE

Here’s how we provide better care



日本でも病院の情報開示が検討されているが、ただ単に手術件数だけを並べるのであれば、それは書店に並んでいる「病院ランキング」とあまり変わらない。国は多くの情報を持っているわけで、さらに一歩踏み込んだ情報を還元し、病院ごとに開示できるようにしていってもよいのではないだろうか。開示できるようになれば、病院側はより努力をするようになり、患者はよりよい病院を選ぼうとするはずである。

早かれ遅かれ、患者にとって分かりやすい視点で、質を競争できるような仕組みが不可欠だろう。