でも、これは日本だけの話ではなかった。アメリカもかつては似たような状況だったらしいが、オバマ政権は、そこに大きなインセンティブをぶら下げ、導入を促した。これは、電子カルテメーカーなどのロビー活動が成功した結果といった単純なものではなかった。インセンティブプログラムが発表された時点から、医療の質の改善などに使っていくことがうたわれていた。
院内感染発生率で診療報酬にペナルティを設けている例を以前紹介した(ウェブサイトで見るならグラフィカルな方がいい)。これもその応用のひとつだ。
院内感染発生率で診療報酬にペナルティを設けている例を以前紹介した(ウェブサイトで見るならグラフィカルな方がいい)。これもその応用のひとつだ。
そして、PCORnetが興味深い取り組みを始めている。
心疾患の患者2万人に対し、高用量か低用量のアスピリンを飲んでもらい、その結果を検証するというPragmatic Trial(プラグマティックトライアル。実用的試験)を行うとのこと。
心疾患の患者2万人に対し、高用量か低用量のアスピリンを飲んでもらい、その結果を検証するというPragmatic Trial(プラグマティックトライアル。実用的試験)を行うとのこと。
ADAPTABLE: The Aspirin Study - PCORnet |
このような試験ができるようになった背景には、電子カルテ化・ネットワーク化の取り組みがある。Pragmatic Trialでは、データボリュームも大事な要素だ。このような取り組みを始めるハードルが下がれば、間違いなく様々な研究が進むだろう。
「とにもかくにもデータにしなかったら始まらない」と言っている話を聞いた。日々の診療がデータ化されているのは、大きな資源になる。データの価値は、期間が長いほど、人数が多いほど、詳細であればあるほど、価値が増すだろう。以前もデータの資源化については、述べている。
もしかしたら、紙カルテの電子化サービスなんてのもあり得るかな?と一瞬考えたが、読めないカルテも一定数あるな・・・と思った瞬間、心が折れた。