以前、NEJMの高額な薬剤費に関する評論記事についてブログに書いた。
先日JAMAにも費用対効果に基づく薬価設定に関する話題が載っていた。
JAMA Network | JAMA | Payer and Policy Maker Steps to Support Value-Based Pricing for Drugs |
その一部を引用する(日本語訳は弊社の意訳)。
Although spending on prescription drugs has generally increased in line with spending on other health care services, in 2014 drug spending increased by 12.5% compared with 5% on all other parts of health care. For some patients, this has meant that out-of-pocket expenses for drugs now are thousands of dollars, an expense that can lead patients to skip doses, exhaust their savings, and sometimes end up in bankruptcy. (処方薬の医療費は他のヘルスケアサービスと同様、増加の一途だが、2014年、ヘルスケア全体では5%の伸びであったのに対し、処方薬は12.5%の伸びであった。患者の中には数千ドルの自己負担が重く、飲むのを止めたり、貯蓄を使い果たしたり、時には破産するようなこともあります)
Until the 1950s, 1980s, and late 1990s, hospitals, physicians, and nursing homes, respectively, were paid based on what they chose to charge. Since that time, they have all transitioned to payment models anchored to the attributes or components of the services they provide. A long-term sustainable model for pharmaceutical products will depend on a transition to a system in which prices are linked to the value of products, with payers and regulators providing the right incentives to make adopting those prices a sensible decision for companies.(1950年代、80年代、90年代後半まで、病院、医者、ナーシングホームは、出来高払いだったが、提供サービスに基づく包括払い制度に移行している。保険者や行政は費用対効果に基づく値段付けを適用してくれた製薬会社に適切なインセンティブを与え、製品の価値に基づいた値段付けシステムへの移行させることが長期的な持続可能な医薬品モデルの構築に重要である)
医療制度が出来高払いから包括払いに変化してきたことなどの背景は、費用対効果の議論を支持することになるだろう。高騰する薬剤費は、単に抑制すればよいのではなく、行政や保険者が費用対効果に基づく価格設定を行うことで、製薬メーカーに適切なインセンティブを与えるべきだろう。
調剤報酬のうち、薬剤費は費用対効果の議論が今後重要になってくるだろう。では調剤技術料は?? 本来であれば費用対効果に基づく議論がなされるべきだろうが、次の改定ではあくまでも薬局に行く回数などで議論がされている様子を見ると、まだまだ時間がかかりそうだ。