2016/01/04

『東京や仙台で眼科系疾患が急増』は正しいか

新年の業務は今日から(とは言え、溜まっていた仕事などを片付けたりしていたので、いつから開始かはっきりしていない。ただ、クライアント訪問は今日から)。

そこで、新年に社内でディスカッションするための資料を整理していた。

参考資料はこちら。

歴代ワースト総理・安倍晋三が犯す日本史上最大の犯罪――担当編集による著者インタビュー【中篇】|東京が壊滅する日 ― フクシマと日本の運命|ダイヤモンド・オンライン

この著者インタビューにおける総理に対する主張は本題ではないので置いておくが、データ分析を生業にしているものとしては、大変気になる記述が見られた。以下、記事の一部を引用する。

首都圏の病院における骨髄異形成症候群による入院患者数を見ても、フクシマ原発事故前の2010年に比べて、2012年~2013年には血液関連の癌が急増しています。

記事には病院の具体名も挙げられている。記事にしているデータについては実際病院のウェブサイトでも確認できる(下記参照)。

【血液内科】 診療実績 順天堂大学医学部附属順天堂医院

このデータが正しいから、主張も正しいと言えるのだろうか?

次に、眼科系疾患に関する記述だ。

放射線の影響と思われる白内障や眼科疾患も、2012年末以降に東京で急増しています。
ほとんど注目されていませんが、宮城県仙台市およびその周辺でも白内障や眼科疾患が急激に増えており、東北労災病院眼科の患者統計では、白内障手術数は、事故前の2010年から事故後の2012年までにおよそ2倍になっています。

大変興味深い。急増しているという主張は事実だろうか。記事で挙げられた病院のウェブサイトでは実績が公表されている(下記参照)。ゆえに写し間違いといった初歩的なミスはなさそうであり、記事で引用していた数字の信憑性はそれなりに高いと考えて良いだろう。

東北労災病院|患者さん|外来患者さんへのご案内|診療の案内・眼科
しかし、このデータから、主張している「東京や仙台市周辺で眼科系疾患が急増している」は正しいのだろうか。

今週、時間が取れたら、社内ディスカッションとデータ検証をしてみようと思う。