2016/01/07

電子母子手帳によるデータの資源化は世界を変えるかもしれない

昨日の日経夕刊、「電子母子手帳 育つ 育児記録や日記、家族・友人と共有 自治体、課題はコスト増」。

電子母子手帳 育つ 育児記録や日記、家族・友人と共有 自治体、課題はコスト増 :日本経済新聞

母子手帳は日本から世界に広まっているという話を聞いたこともある。調べてみたら、こんなウェブサイトもあった。

日本の母子手帳を変えよう - 世界の母子手帳

ただ紙の情報を電子化しただけではあまり意味がないと思うが、電子化により、双方向性のサービスを考えたり、データの活用を考えたり、色々発展させることができるに違いない。冒頭の日経の記事でも有識者のコメントが掲載されていた。
母子愛育会総合母子保健センター(東京・港)の中林正雄所長は「電子母子手帳の中の情報管理に国が関われば、詳細な病歴などを吸い上げることができ、将来的にはビッグデータとして活用できる。財政面を含め国はもっと支援すべきだ」と訴える。

強く同意。妊婦健診や出産の情報は健康保険の対象とならないものが多く、レセプトによる情報集積が難しい。そのため、電子母子手帳が様々なデータを吸い上げることができれば、非常に価値があるだろう。

また、WHOが公表しているデータにおいて、日本は妊産婦死亡率が世界でもトップクラスに低い、つまり医療水準の高い国のひとつだ。

WHOのサイトで見ることができる出産10万件あたりの妊産婦死亡率データ(下記WHOサイトから出力)

WHO 妊産婦死亡率のデータ
GHO | By category | Maternal mortality - Data by country

電子母子手帳により、世界中でデータを吸い上げることができ、医療水準の引き上げに貢献できるようなことになるかもしれない。非常に大きな可能性があるのではないだろうか。