2016/02/04

調剤医療費の伸びを可視化してみる

調剤医療費の伸びについて調べてみた(出所: 調剤医療費の動向調査|厚生労働省
調剤医療費の推移
2004年10月から2015年9月までのデータ。順調な伸び。単月レベルでは多少デコボコしているが、約11年で4000億から6000億へ、1.5倍に伸びている。

電算処理分に限定して比較すると、75歳以上の伸びが非常に目立っている。
年代別推移
なぜ医療費がこれほどまでに伸びているのか。次の式で考えてみる。

[調剤医療費] = [1人あたり調剤医療費] × [人数]

調剤医療費の伸びは・・・、
年代別 調剤医療費伸び率(2004年10月比)
こんな感じ。赤色ほど伸びている(色の濃い薄いは、上のグラフの中での相対値)。

一方、1人あたり調剤医療費の意味合いに近い1枚あたり調剤医療費の伸びは・・・、
年代別 1枚あたり調剤医療費伸び率(2004年10月比)
高齢者が特段伸びているわけではなさそうだ。つまり、人数が増加していることが一番の原因と考えても良いかもしれない。


薬剤の種類別にも見てみよう。
薬効分類別 薬剤費伸び率(2009年4月比)

明らかに1種類だけ異なる伸び率を示している。「化学療法剤」だ。

さらにその内訳の推移を見ると、抗ウイルス剤が急上昇していることが分かる。

化学療法剤 薬剤費推移

ハーボニーの発売タイミングから考えても、まだ上昇は続きそうだ。

冒頭、11年間で約2000億円の増加と述べたが、この抗ウイルス剤はわずか1年で200億円近い増加をしている。今後、どの程度まで増加するのだろうか・・・。