2016/12/02

運転免許の保有状況から地域性を考える

高齢者の自動車事故のニュースをよく聞く(本当に多いのか、高齢者の事故がとりわけニュースになっているのか定かではないが)。

先日も、ある病院グループの研修で講師を務めながら、その懸念について話を聞く機会があった。事故のニュースは病院が現場となってしまうことも少なくないだけに、深刻な問題だろう。

唐突ではあるが、別の研修資料を検討している流れで、高齢者の免許保有状況について都道府県の比較を行ってみた。

まず、運転免許保有者を100とした場合の75歳以上の保有者割合。これは高齢化の進展に連動しているので、下のようなグラフになる。東京は75歳以上の人口が少ないから、免許保有者に占める高齢者の比率も低い。島根県は逆である。
75歳以上人口比率(横軸)と運転免許保有者に占める75歳以上比率(縦軸)の都道府県比較
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出所: 国勢調査、警察庁運転免許統計(それぞれ平成27年)を基に作成

次に、75歳以上人口を100とした場合に、75歳以上の免許保有者の割合を見た。横軸はさきほどと同じ75歳以上の人口比率である。
75歳以上人口比率(横軸)と75歳以上の運転免許保有者割合(縦軸)の都道府県比較
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出所: 国勢調査、警察庁運転免許統計(それぞれ平成27年)を基に作成
すると、群馬、茨城、栃木の北関東3県や、山梨県、愛知県、滋賀県などが上に移動してきた。これは、高齢者になっても運転免許が必要な県、運転免許を手放せない県と言えるのかもしれない。

ちなみに、運転免許は運転する・しないが判別できるものではなく、あくまでも資格の有無でしかないので、これだけで事故の発生状況と結びつけることは難しい。事故発生の観点では、ペーパードライバーこそが最良のドライバーと写ってしまう。それゆえ単純に分析できるものではないだろう。