厚労省、後発薬普及へ重点10地域 東京・徳島など今夏にも指定 医療費抑制テコ入れ :日本経済新聞 |
ちなみに、後発医薬品の使用率は、所得との関係性が見られる・・・というデータを示す。所得は厚生労働省の「平成29年賃金構造基本統計調査」、後発医薬品使用割合は同じく厚生労働省の「最近の調剤医療費(電算処理分)の動向(平成29年度9月分)」。
まず、金額ベースのものから。都道府県名は見づらいが、グラフをクリックすると拡大するので、少しはマシに。なお、所得は賃金構造基本統計調査の決まって支給する現金給与額の12倍に年間賞与その他特別給与額を加えたものを、年間給与額としている。
出所: 厚生労働省 平成29年賃金構造基本統計調査、 最近の調剤医療費(電算処理分)の動向(平成29年度9月分)を基に分析 以降のグラフも同じ |
さらに内訳で、病院と診療所を見た。特に、金額ベースの診療所の相関係数は-0.67と強めの相関が見られた。
ここで、所得が高い地域で後発医薬品の使用割合を上げるのはなかなか難しい!という結論にしてしまうと話が終わってしまう。大事なのは、同じ所得でも、後発医薬品使用割合が高いところと低いところがあるように(例えば、長野:高いところ、徳島:低いところ)、背景が近いところで、差異の事由を検討すべきと言えるのではないだろうか。
沖縄の取り組みを東京でマネすることも可能とは思うが、より効果的な取り組みの検討には、上記のような分析が有用と考えている。
後発医薬品調剤率の都道府県順位変動 |
以下、余談。長野は色々興味深いのだが、ちょうど、数日前の日経の地方面に長野の記事が出ていた。下記の電子版では載っていないようだが、紙面では、重点目標の表があり、健康寿命全国1位維持、というのも挙げられていた。
長野県の新5カ年計画始動 県政運営の指針に :日本経済新聞