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総合入院体制加算の実績要件について、「1,000件」などの数値の根拠を問う尾形委員。
○尾形委員 (前略)そもそも総合入院体制加算の要件の中で、実績要件というのは手術件数を一定以上としているわけです。恐らくこの考え方というのは量が多いということがアウトカムにつながっているということなのではないかと思います。しかし、ここで1,000件にしたということについては、1,000件がカットオフ値として適切だという議論がかつてあったということなのでしょうか。それに対する事務局の返答。
○事務局 まず、先ほどの1,000件に要件を変更したということの議論なのですけれども、一応実際の調査結果で何件くらいやっているかという分布を見させていただいて、要件としては少し厳し過ぎるのではないかといったような議論があって、この数に見直しているということでございます。 (中略) こちらの総合入院体制加算は経緯から申しますと、特定機能病院は一般病棟入院基本料と別に特定機能病院入院基本料というのがあって、かなりベースがアップされている、それは当然、特定機能病院としてのいろんな機能を持っているからということなのですけれども、この総合入院体制加算は特殊機能病院はとれないことになっていまして、逆に特定機能病院ではないけれども、そのぐらいの総合力があるところを評価をするという趣旨で、一般病棟と特定機能病院の入院基本料のベースの差を一定程度埋めるような趣旨でつくられたものというのが経緯でございますので、この総合力に関する要件が入っているということでございます。化学療法4,000件は厳しすぎたから、分布を見ながら1,000件に見直したとのことだが、さじ加減を見ながら落とし所を探したようにしか思えない。質問の本質である数値の根拠には触れてない。
化学療法の件数について、特定機能病院の分布と一般病院の分布がそれぞれ手元にあり、「特定機能病院並みとは、このあたりのことです」と図示されれば、多くの人は納得できるだろう。高めのハードルにして「目指して欲しい」というようなインセンティブ色を強めたり、低めのハードルにして「一定レベル以上に診療報酬を」というような足切り型にするにしても、いずれにしても納得できるだろう。例えば、DPCの特定病院群の要件はそうなっている(大学病院本院の最低値・・・といった形ゆえに、基準値が動いてしまう点については賛否両論あるだろうが)。
しかし、厳しかったから緩めました、では理解しがたい(緩めているから文句は出ないが、逆だったら、相当批判されているはずだ)。徐々にデータに基づく診療報酬改定の時代に変わってきている。この評価の継続を期待する意味でも、透明性のある基準にしてもらいたい。
なお総合入院体制加算について地域性などを見た先日のCBnewsの記事はこちら ⇒中小病院のチーム医療推進をもっと評価すべき - CBnewsマネジメント