こんな本を読んだ。冒頭には市町村合併と地方交付税の話があり、広島県の地図が合併前後で大きく変わっていることを紹介していた。
自治体の合併後の取り組みは、地域医療構想を考える上でも参考になる点が色々ありそうだ。合併により、「地域」の定義が変わる中で、郷土愛をどのように醸成していくか考えることは、病院のあり方を考える上でも非常に興味深い内容だった。
地域医療を支えるのは医療者だけでなく住民も大事であり、医療者・住民が一体となるためには、「地域」を考えなければならない。これは病床数が多い少ないといった数合わせの話ではない。地域医療構想の模擬調整会議の様子が、月刊「病院」に載っていた。
医学書院/週刊医学界新聞(第3134号 2015年07月20日) |
この模擬会議、非常に面白い内容だった。まさに「地域のあり方」を議論していて、数合わせではいけない、という考えが伝わってくる。
市町村合併で交付税が減るという流れは、地域医療構想の中で適正な医療提供体制を構築することで、自治体病院などに対する交付金の抑制が想定されることに非常に似ている。
交付金が減るから医療に未来はない、ではなく、交付金が減っても充実した医療が提供できる体制をいち早く作る、が大事なことであり、そのヒントは、この新「地域」ブランド戦略の本に、ちょっと書いてあったように思う。