中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)審議会資料 |厚生労働省 |
介護給付費分科会審議会資料 |厚生労働省 |
医療療養病棟について、医療区分による様々な項目が比較されている。出来高換算した点数の箱ひげ図も興味深いが、その点についてはCBnewsなどが報じていた(療養病棟に「DPCデータ提出必須化」案 - CBnewsマネジメント)ので、少し異なる視点を。医療区分の違いによる退院に向けた目標・課題の比較を下に示す。詳しい内容は配布資料を参照いただきたい。
平成29年度第5回 入院医療等の調査・評価分科会 配布資料 P.65を基に作成 |
「看取り(死亡退院)」と「転院先の医療機関の確保」を主な退院に向けた目標としている割合は、医療区分3>医療区分2>医療区分1、の関係になっている。
一方で、「在宅医療・介護等の調整」「入所先の施設の確保」は、区分3<区分2<区分1と真逆になっている。
当然といえば当然の結果だが、改めてこの結果から言えるのは、医療区分1の70%を在宅で見ることを目指すのであれば、入所施設と在宅医療・介護の充実が求められることとなる。入所先の整備について、ハード的なものを新規に作るのは、財政的にも時間的にも厳しいだけに、介護医療院の役割に期待が寄せられるところだろう。介護給付費分科会と平仄をしっかり合わせないと、患者が難民化するか、医療・介護関係施設の経営が厳しくなるか、いずれか(もしくは両方)の未来が待ち受けているのではないだろうか。