同日、中医協の入院医療等の調査・評価分科会で、入退院支援加算に関する下記のようなデータが出てきた。
2019年7月3日開催 入院医療等の調査・評価分科会資料より引用 |
入退院支援加算を届け出ている施設の方が在院日数が短いとのことだ。CBnewsでも、翌日に下記の記事で述べられている。
入退院支援加算、届出施設の方が在院日数短い傾向 - 医療介護CBnews |
在院日数の違いが、さも入退院支援加算の影響のように受け取れる分析結果だ。しかし本当だろうか?
DPC公開データから、急性期一般入院料に該当する病院の「その他病棟の入院含む」の延べ在院日数を基に、総病床数の規模に応じて、平均在院日数を算出した。また、2019年5月時点での一般病床を有する病院における総病床数の規模に応じた入退院支援加算の届出施設割合を算出した(ここには急性期一般入院料以外の病院も含まれてしまう)。
それぞれの算出した数値について、関係性をみたのが下のグラフだ。(各点にラベルで表記しているのは病床規模(床)。ばらつきの大きい100床未満は含めていない)
非常に強い相関関係が見られる。というか、ほぼ直線。入退院支援加算は中小病院ほど届出ができておらず、中小病院は在院日数が長い。入退院支援加算の影響で在院日数が短くなっているかどうかを評価するのであれば、病床規模に応じた入院医療の特性の違いを考慮すべきである。
入退院支援加算は効率的な病床利用を促進することは否定しない。ただし、中医協のグラフは、在院日数の違いの真因を隠した状態で見せている疑似相関である可能性が高いのではないだろうか。(地域包括ケア病棟や回リハ、療養病棟のデータも示されているので、もう少し詳細な調査が必要だが・・・)