2013/01/27

自分の住んでいるところは、将来、安心して医療は受けられるのか?

例えば、東京、特に都心に住んでいる人と、北海道の札幌まで車で数時間というところに住んでいる人では、現状の受けられる医療においても差異があることはいったん置いておき、将来にわたって、日本各地で安心して医療を受けられるのか?という問題を考えてみたいと思う。 

実のところ、この問題に対し、確信・自信を持って将来の見通しを答えられる人はいないはずだ。 その理由の一つとして、今現在、医療計画を策定している、ということが挙げられる。この医療計画の見直し、現状の問題点を整理した上で、医療機能の分化や連携、在宅の推進、精神疾患への対策といった観点に沿った見直しがなされることが明示されている。

この医療計画の策定、一般市民目線ではどういった議論がなされているか分からないだけでなく、医療機関であっても、その内容が見えてこないのが正直な印象ではないだろうか。

医療計画の見直し、様々な資料が提示されている。例えば、これ。
医療計画の見直しに関する都道府県 説明会資料(1)より

流入型は医療機能が強固で、流出型は弱い、というイメージだろうか。ただしこれは勝手なイメージに過ぎない。医療政策の見直しが目的であるがゆえに、これだけでは、自分の住んでいるところの医療が将来も安心かどうかは分からない。ただ、人口20万未満で流出型の医療圏の見直し・需給状況の改善に向けた検討の指示は、過疎地域の医療は、その地域で完結させようとせず、流出先と一体となって考えろという、メッセージが発せられている(下図参照)。

医療計画の見直しに関する都道府県 説明会資料(1)より

つまり、平成の市町村合併ではないが、医療も類似の見直しが入るということは、間違いなさそうだ。

ただ、こういった情報、都道府県の医療政策担当者にとってみたら、非常に重要かもしれないが、正直、一個人、病院担当者レベルになると、「目の前の病院はどうなるんだろう」「自分の病院はどうしたらよいのだろう」といった疑問であって、上の資料だけではスッキリできない。

そこで、次回、弊社にてクリニック・医療機関向けのコンサルティングの導入に用いている医療圏モデリングを紹介したい。(続きはこちら