2013/01/07

多種多様な外来

先日、虎ノ門近くを歩いているときに見かけたクリニック。
睡眠時無呼吸症候群専門とある。


『専門』なんて限定せずに、『何でもやるけど睡眠時無呼吸症候群も診ます』くらいのスタンスで良いような気がしなくも無いが、実は専門とうたうと、そういう患者が集まり、結果、医師は経験を多く積むことができ、腕が上がり評判を呼び、さらに患者が集まる・・・という好循環になることもある。


※ちなみに睡眠時無呼吸症候群は新幹線の居眠り運転でニュースになり、社会的認知度が上がった(財団法人 神奈川県予防医学協会のホームページの説明が分かりやすい)。

クリニックや病院は、診療科があり、それぞれの外来があることが普通であるが、最近は上記のような専門クリニック、専門外来も良く見かけるようになった。

さて、みなさん、○○外来、と聞いて、どのくらい名前が思い浮かぶだろうか。

5個思い浮かべば、ちょっとした医療フリーク
10個浮かべば、マニアか、その筋??の人
20個浮かべば、もはや鉄人・聖人の域

wikipediaの専門外来の項目を見ると、まぁ、専門外来というほどではないものもあるかもしれないが(例えば、「リウマチ専門外来」が例示されている。これは病院によっては、「リウマチ科」があったりするため、専門外来と意識することもないかもしれない)、20種類は軽くある。

タバコの増税・値上げの話が出れば『禁煙外来』が混み、これからの時期であれば『花粉症外来』が混むだろうし、正月に駅伝を見て影響を受けた人が駆け込むかもしれない『ランナーズ外来』も注目されるかもしれない。

変わったところでは、『水虫外来』(東京女子医大 日暮里クリニック みずむし診断外来)なんていうのもある。ドクターは来る日も来る日も水虫だけを診ているかと思うと同情を禁じ得ない(実際は、毎日水虫外来が設けられているわけではないので、そんなことはないか・・・)。

近年、診療科の細分化もさることながら、専門外来も多種多様になっている。病名+外来、というキーワードで検索すると、何でも見つかる気がしてしまう。女性外来があるなら、男性外来もあり、ついでに、肥満外来、発毛外来、四十肩外来・・・(自分が気になったキーワードで探すと皆ヒットする)。正直、あまりに多すぎて、自分が何に行けばよいか困ってしまうのではないかと思うほど、情報があふれている。

患者視点で考えると、「診療科名だけでは、どういった症状を診てもらえるのか分からない」という悩みに対するひとつの答えが専門外来であると思う。ただ、患者側はもっと気楽に考えるべきであって、前出の水虫外来であれば、遠方の人がわざわざ東京まで出てくることは無く、近所の皮膚科でも十分なことがほとんどだと思われるように、かかりつけ医や、近所のクリニックで、まず相談してみることが最も効率的な医療の受け方だと思う。水虫に限らず、「まずは、遠方の専門外来より、近所のかかりつけ医」なのではないだろうか。

余談だが、発毛外来(毛髪クリニック)は、恥ずかしいから、近所でなく遠くに(海外まで)行く人もいるらしい。何でも近所、というわけではないらしい。世の中、複雑だ。