不妊治療の保険商品 認める報告書 NHKニュース |
新保険、不妊治療は課題山積 金融審報告書まとめ - SankeiBiz(サンケイビズ) |
不妊治療:保険、解禁 新商品、来年度にも−−金融審部会- 毎日jp(毎日新聞) |
実際の報告書案(http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/hoken_teikyou/siryou/20130607/01.pdf)を見ても、ニュースのとおり、課題はあるものの、保険が果たす一定の役割はあるという見解が伝わってくる。
逆選択やモラルリスクの問題をどのようにクリアするべきかは、以前ブログで私案にまとめている。ブログは⇒
不妊治療に対する民間保険の活用案 - 医療、福祉に貢献するために |
不妊かどうか分からない人しか加入できない時点で、保険としての意味合いがほとんどないように思う。なぜ意味がないのか。すでに販売されているがん保険でカバーされるがんとの比較で考えてみよう。
がん保険は、健康で生活していることが前提で、がんになってしまう事に対し経済的カバーをすることである。がんと診断されたら一時金、という商品があるように、がんにかかったグループに入ることに対し精神的な負担も含めサポートするイベント発生型の保険だ。
不妊保険(便宜上そう呼ぶとする)は、不妊であるという状態は徐々にやってくる。なかなか妊娠しないから、もしかしたら不妊かも、という時点ではまだそれほどサポートが要らない。体外受精の回数を重ねるなどの時間経過とともに精神的・肉体的・金銭的負担はピークに近づく。そして、無事妊娠・出産できれば、それもぱーっと解消されることが多いのだが、子を授かることができぬまま、不妊治療を断念する人も少なからずいる。このとき負担はピークを迎える。不妊保険は、この負担をサポートすべき出口型保険だ。
出口型保険は、出口の直前まで、保険加入できるべきである。(考え方としては終身保険に近い)
不妊の悩みは、不妊の状態からどのように『抜けだすか』、真っ暗なトンネルの先に光が見えないことと、トンネルの脇に出てしまえば(あきらめてしまえば)真っ暗ではなくなるけど負担が非常に大きいことに対する「経済的サポート」が必要なのだ。
なので、不妊と分かる前しか加入できない、費用サポートタイプの医療保険では不十分だと考えている。いつでも加入でき、積立を必要とする保険であるべきだ。逆選択やモラルリスクも軽減できるに違いない。