JR上野駅近くにある永寿総合病院(東京・台東)。産婦人科の天井や壁にはアンテナや箱形装置が取り付けられている。生まれたばかりの乳児の足と母親の手首にはタグが付けられ、不審者が乳児を連れ出したり、異なる母親に渡ったりすると「ビーッ」と大きな警告音が鳴る。様々な応用が利きそうな話だ。
サトーホールディングスが新しく開発したサービスだ。シンガポールのIoTベンチャー、キャディの技術を活用し、昨年8月に導入した。
記事は「最新ITで売り方激変」というタイトルで、同時に紹介されていたのは、パナソニックの業務用冷蔵庫だった。なので、IoTにより、ただ製品を売るのではなく、サービス・価値を提供することの重要性を説いている。
サトーホールディングスの話も、以下のように続いている。
サトーの主力はバーコードラベルやプリンター。病院にはこれまで血液検査用バーコードや患者用リストバンドを納入してきた。しかしIT(情報技術)の進化で、製品の単品販売では成長に限界来るという危機感があった。これは、商品を売っている人だけの話ではない。誰もが共通に考えなければいけないことだろう。自分のデータ分析も然りだ。
これまでコンサルティングなどに力を入れてきたが、IoTを活用した新サービスで病院との関係はより深まる。傘下のサトーヘルスケア(東京・目黒)の岩下正範主任は「シールやプリンターではなく『安心』を売る。提供する価値を明確にしたサービスが重要」と話す。