2017/03/11

小児疾患の中にいる高齢者

最新のDPC公開データ(2015年度実績)から、ウイルス性腸炎について考えてみたい。

ウイルス性腸炎は 150010のコードからも分かる通り、小児疾患に分類されている。ただし、患者の年齢構成は下の円グラフのように、15歳未満が半数弱を占める一方で、61歳以上が4分の1以上含まれている。

ウイルス性腸炎 患者 年齢比率(2015年度, DPC対象病院)
全国のDPCデータ提出病院の在院日数と症例数による施設分布は、下記のようになっている。症例数の多い施設では5日前後に収束している。

150010 ウイルス性腸炎 データ提出病院分布(2015年度)
ごく限られたデータで恐縮だが、病院のウェブサイトに公開されている診断群分類番号別の在院日数、平均年齢をプロットした結果を下に示す。
ウイルス性腸炎 施設・診療科別 年齢・平均在院日数分布(2015年度)
※DPC病院Ⅰ群・Ⅱ群を中心に病院情報の公表でウェブサイトに掲載していた病院・診療科

平均年齢が高い施設・診療科では、平均在院日数が6日を超えている一方で、低いところは短くなっている。しかも、平均年齢は二極化している。このような診断群分類番号では、残念ながら、効率化係数などの評価で不平等になってしまう。たまたま小児だけを見ている病院では、効率性係数は高くなり、成人だけを見ている病院では評価が下がる。

もし効率性係数の重み付けを増すのであれば、こういった不平等を解消していくことも大事なのではないだろうか。