2018/02/27

個人的にも楽しみなMMオフィス工藤氏とのセミナー

今週末の日経ヘルスケア主催のセミナーのための準備が佳境に。色々なシミュレーション結果から、

1.シミュレーションの仕方
2.シミュレーション結果の読み方
3.結果に基づく病棟編成等の戦略の考え方
4.アクションへの移し方
などを把握するきっかけにしてもらえれば・・・と思っている。(1は自分がメインで、2~4を討議で工藤氏から引き出す予定)

前回までと同じ地域でも、データを補足したり、よりわかりやすくなるように努力したつもりだ。また、前回までと異なる地域も追加してみた。様々な議論のきっかけになるよう、病棟編成のバリエーションが豊富に引き出せそうな病院を選んでみた。

まだ下記から申し込みできるそうなので、もしよろしければぜひ。

2018改定をエビデンス・データで乗り切る病院経営術 2018改定をエビデンス・データで乗り切る病院経営術

以前の同セミナーに対する自分の感想はこちら ⇒ 参加者からの質問も大事なセミナー

2018/02/25

DPCの機能評価係数Ⅱ・激変緩和係数シミュレーション

DPC病院では先週始めに機能評価係数Ⅱの内示が来ているらしい。
激変緩和係数を試算するためのおまけを下に示す。
2017年度機能評価係数Ⅱをベースにした2018年度試算値の分布
(DPC病院群は2017年度のグループ)
これは2017年度の機能評価係数Ⅱをベースに、2018年度の値がどのくらいになるか試算したものだ。全病院の診療内容がまったく変わらない想定(そんなことはありえない)なので、あくまでも参考数値だが、実際に届いた係数と比較してもらえれば、自分の病院が前年より伸びたかどうかを把握する情報になり得ると思っている。

標準病院群のばらつきについては、内示の資料ではもう少し係数の値が高いところまで分布の広がりがあったようだ。想定との違いは、情報が限られているためまだ具体的な作業はしていないが、のちのち精査していこうと思う。

ちなみに激変緩和係数は、50施設前後でついたと想定している。中には(プラスもマイナスも)相当大きな値がついていると思われるだけに、本当の危機は来年ということになるのだろうか・・・。

2018/02/22

4象限での入院単価の分布から、戦略を考える

昨日の4象限と同じ縦軸・横軸で、実際の入院単価を入れてみた。患者ごとの1日ごとの情報では、【A2点以上かつB3点以上】の割合、といった情報は得られないので、年代・入院経過日数等で、微小なグループ(といってもある程度症例数の担保)に細分化し、そのグループごとの看護必要度の情報で、縦軸・横軸に該当するところを求めた。そして、それぞれの単価の平均値を求めている。


A3点以上やC1点以上が高いところは単価が高い。しかし、A2点以上かつB3点以上の高いところは単価が低い。

では、これを利益で塗ってみたらどうなるか?
経営戦略イメージが浮かんでくるのではないだろうか。

2018/02/21

4象限分析から戦略を考える

改定がらみの話題を提供したいと思いつつも、この半年ほど分析してきた内容を改めて整理したものをCBnewsに掲載していただいた。いつもは散布図で示していたものを4パターンに分け、ネーミングをしてみた(少しだけキャッチーになるよう努力をしたつもり)。

「7対1低単価型」は看護必要度30%でもシフト考慮を - CBnewsマネジメント 「7対1低単価型」は看護必要度30%でもシフト考慮を - CBnewsマネジメント

記事(有料部分です、読めない人ごめんなさい)に分析結果を示したが、先に仮説(下記のパターン)を作って、データ分析をしたのだが、想像以上に想定通りの結果が得られ、驚いた(自画自賛!)。

ちなみに「低単価型」という名称。ただキャッチーさだけを狙って付けたのではなく、根拠はある。その根拠については、記事に書いたので、お読みいただければ幸いだ。

余談だが、この4象限分析。いろいろな地域で、その地域の病院を実名でプロットできる(病床機能報告データが基になっているので、非公開情報ではない)。個別病院名が入った状態で分析結果を見てもらうと、色々な示唆を得ていただけるように思う。

2018/02/20

眼底検査から心疾患リスク

眼底撮影の画像(約28万人の患者、約270万枚の画像)をディープラーニングで処理し、心疾患リスクを予測した話。

Google’s new AI algorithm predicts heart disease by looking at your eyes - The Verge Google’s new AI algorithm predicts heart disease by looking at your eyes - The Verge

元の論文はこちら。
https://www.nature.com/articles/s41551-018-0195-0

眼底検査で、年齢を予測して何の意味があるか?と考えるかもしれないが、このような評価手法自体は一般的だ。

学生時代の研究は、「頸動脈の超音波診断から、心疾患リスクを予測する」というものだったので、眼底撮影の画像⇒超音波の診断画像、とすれば、考え方はほぼ同じ。ただ、データボリュームも、内容も、まったく違うが。当時も「血管年齢」的なことを考えていた。喫煙・禁煙の評価が難しい(単純な0、1にできない)のだが、その点は、この眼底撮影の論文でもディスカッションで述べられていた。

画像は資源だ。そして、価値ある資源にするには、どうしたらよいかも、分かる論文だ。

2018/02/19

医療の質と病院経営の両立を目指し、回リハ病棟のマネジメントを考える

昨日のセミナーは素晴らしかった。


工藤氏の話で、診療報酬改定の動向を回リハのみならず多面的に捉え、そして、シミュレーション等の具体的な事例で、頭が整理できた。
次の角田氏の話で、前回改定後の取り組みと次回改定を踏まえた病院経営の実践について聞くことができた。FIMの評価制度と入院患者のミスマッチ(ケアでベストを尽くしても評価されにくい患者等)や、入院中の栄養管理は具体的な話で理解が深まった。また、急性期病院との連携についての課題感などは、非常に参考になった。
そして、最後、三好氏の話。回リハ退院後の患者の生活の質に関する知見と、それに基づくアドバイス、特にセラピストが獲得すべきスキルや目指す方向性に対する提言は、非常に参考になった。

3人の話を整理することで、回リハの入口・出口の戦略が理解できた。この3人が揃ったことで、自分の理解が深まるという気持ち良い機会だった。

このセミナーとは無関係の自分のタスクが遅れている点だけを除けば、120%くらいの満足だった。

2018/02/08

7対1と10対1の間にそびえる高い崖に階段(降りる人専用)がかけられた

誰も使う気はないだろうけど、高い崖に階段がかけられた。

約200点の高い崖だったのが、最初の階段はわずか30点。その次の段にはさらに70点(あわせて100点)。点数の違いは、そーっと降りることができますよ、という誘導であって、現場の負担差を反映しているわけではないだろう。

今回設けられた階段を、現時点で使おう!と考えているところは少ないのでは?と思う。その改定に対する病床機能選択の戦略について、CBnewsにて私見を述べた。

看護必要度30%に執着し過ぎると本質を見失う? - CBnewsマネジメント 看護必要度30%に執着し過ぎると本質を見失う? - CBnewsマネジメント

しかし、何が何でも高いところに留まるべきだという発想では、本質を見失う。なぜ階段がかけられたのか。階段を降りることで何が見えてくるのか。地域から求められている機能は何なのか。2018年度改定の次はどうなるのか。そのようなことを冷静に考えることで、今回の改定の本質が見えてくるだろう。

MMオフィスの工藤氏は「茹でガエル」と表現していた。CBnewsの記事で書いたzone1の病院こそが、この茹でガエルになる可能性が高いと思っている。お読みいただけると幸いだ。

2018/02/04

働き方改革を進めるために必要なシステム対応とその先

ニュースで見て、気になった。音声認識で、電子カルテの様々な項目へ自動で入力してくれるらしい。

 

働き方改革。システムに期待する領域は少なくない。医療機関が個別で投資するのは難しいかもしれない。しかし、グループ、地域などで投資するならば、その金銭的ハードルは下がるのではないだろうか。

なお、このような音声認識は「医師事務作業補助者」の業務を奪うのではなく、より価値のある業務を担うことができるようになる、と考えるべきだろう。

2018/02/02

保険者を取り巻く環境変化

Economistの記事、分かりやすい。読んで損はない。


A revolution in health care is coming - Data and medicine A revolution in health care is coming - Data and medicine
アマゾンやバークシャー・ハサウェイ、JPモルガン・チェースの意図も分かるだろう。3社による取り組みは、下記参照。

Amazon, Berkshire Hathaway and JPMorgan Chase & Co. to partner on U.S. employee healthcare | Business Wire

・・と書いたものの、これ、完全に社内向けの内容か。

2018/02/01

How data and analytics can improve CV quality and outcomes

広範囲なデータを集めてデータウェアハウスを構築して、効率化・質向上を図った事例。来月ラスベガスで開催されるHIMSS18で話すらしい。

Allina applies analytics to patient data to save $45 million over 5 years | Healthcare Finance News Allina applies analytics to patient data to save $45 million over 5 years | Healthcare Finance News

記事で触れている内容も興味深いが、さらに具体的な内容を知りたい・・・、とは言ってもラスベガスは無理か。

記事中の下記一文は、とある院長がおっしゃっていたことと一緒。
"We're fixing the problems sooner so they can go home."