■新年に何か新しいことを始めるならば「データ分析」に挑戦を
第39回2022年新語・流行語大賞(
https://www.jiyu.co.jp/singo/)で「リスキリング」がノミネートされた。自分の業務関連でこの用語を使うことがなかったため、流行している実感はあまりなかったものの、さまざまな媒体で見かけた。無理に流行り言葉を使う必要はないが、『リスキリングしなければ、企業内で「価値を生み続ける」人材として生き残れない』
※という主張などには同意である。
週刊東洋経済 2022年10月22日号(
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BC15Q3XT)の特集「学び直し全ガイド 50代からの稼ぎが変わる」では、デジタル人材を目指したい人のターゲットとして「データ分析」「Webマーケティング」「情報セキュリティ」の3つが挙げられていた。以前から、データ分析のスキル不足は、EXCEL操作のような分析ツールに関するスキル不足(分析の「やり方」)と、課題抽出やデータの意味などを理解するスキル不足(分析の「使い方」)に分けられ、不足を補うには計画的に学んでいくことの重要性を述べてきた。例えば、病院で求められるデータ分析スキルを、下記のように整理している(図)。
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病院で求められるデータ分析スキル |
週刊東洋経済の特集において、データ分析の詳細記事では、「データ分析をする立場でなく、データ分析を基に判断をする立場だとしても、それを正しく読み取る力が必要になってくる」と述べられている。これは、データ分析自体に加え、データ分析をどう使うかがいかに重要かを強調しており、上図の「使い方」は分析作業を行う以外の人もスキルとして身につけていくべきだろう。
■何から手をつければ分からない人は、統計局のウェブサイトへ
これまで業務上まったくデータ分析と縁のない人は、初学者向けの簡単な統計やデータ分析の書籍からスタートしてみてはどうだろうか。いきなり書籍を手にするのはハードルが高いようであれば、総務省統計局の「データサイエンス・スクール」をおすすめする。
このサイトには、統計に関する基礎的な知識について、ポイントを押さえてくれていることに加え、実践的なオンライン講座などもある。現在、「社会人のためのデータサイエンス演習」が開講中、「誰でも使える統計オープンデータ」が受講者を募集中である。このような講座は、院内システムの操作方法を教えてくれるわけではない。DPCデータ分析やレセプトデータ分析でもない。そのため、明日からの自分の業務に役立つ知識ではないかもしれない。しかし、このような知識の獲得は、基礎体力の増強となり、今まで利用していたBIツール上で、新たな発見が生まれたり、会議での発言に説得力が増したりするかもしれない。
■そもそもなぜデータ分析が必要なのだろう?と思ったときや息抜きにおすすめする本、5選
今からデータ分析を学ぶのは億劫と思う人や、力みすぎて疲れてしまった人に向けて、データ分析に関連する本を紹介する。いままで読んできた書籍と異なるジャンルにチャレンジするのも、新たなスキルを身につける第一歩になるのではないだろう。
FACTFULNESS(ハンス・ロスリング)
「原因と結果」の経済学(中室 牧子、津川 友介)
イシューからはじめよ(安宅和人)
Google流 資料作成術(コール・ヌッスバウマー・ナフリック)
原題は「Storytelling with Data: A Data Visualization Guide for Business Professionals」。Google流とついてしまったせいで、軽い感じの本になってしまっているが、元々はデータによるストーリーテリングのための本。ビジュアライゼーションの本はさまざまあるが、本質的なことを理解するには最適な本。
https://www.amazon.co.jp/dp/4534054726
数字力×EXCELで最強のビジネスマンになる本(田中耕比古)