2021/05/29

誤嚥性肺炎と慢性心不全を極めたら・・・

これ、良かった。日経メディカルオンラインの連載(日経メディカル Online 吉松由貴の「誤嚥性肺炎、診療の知恵袋」)がとても良くて、本が出ると知ったときから、早く読みたかった・・・。

誤嚥性肺炎の主治医力 | 飛野 和則, 吉松 由貴 |本 | 通販 | Amazon

前半の診断、治療の章はもちろん、栄養、食事、嚥下評価、訓練、予防といった内容が網羅的に整理されていて、勉強になった。

そして、何より、チーム医療、地域連携にまるまる1章、10ページ以上割いている。カルテ記載とか、診療情報提供書、地域連携パスのところ、多分、ことあるごとに引用する!

誤嚥性肺炎と慢性心不全のデータ分析を通じて、病院経営や診療報酬制度について考える・・・ということをここ数年行っている。これらの疾患を極めることができたら、今後、相当強いと思っている。この本は極める近道のひとつなのではないだろうか。

2021/05/28

認知症患者の受け皿は・・・

認知症患者は今後増える。

身体の不調は認知症だけ!というような人は少なく、抱えているさまざまな疾患のひとつが認知症という人が大半に。

それゆえ、認知症だから○○病棟で、認知症の症状が軽いから○○施設で、みたいな画一的なルールに当てはめていくことは相当難しいだろう。

別に認知症だけではない。心不全も誤嚥性肺炎も似たような問題がある。

地域の医療・介護ニーズがどのように変化し、どのような受け皿が必要となるのか。戦略の基本は、自院のポジショニングだ。診療報酬も介護報酬も大事だが、まず地域から自院をどう認識してもらうかが大事だ。

環境変化を把握し、将来に備える。病床種別ごとに、環境変化と将来への備えを考えてみている、その精神病床版が、今週掲載いただいたCBnewsの記事。

医業利益率の低下を構造的に理解する - CBnewsマネジメント

考え方自体は、一般病床も療養病床も同じようにできるので、参考にいただけると幸いだ。

2021/05/12

手厚い看護配置に対する評価より、手厚いケアの必要性に対する評価を

次回改定で5対1配置加算の新設は必要か - CBnewsマネジメント

継続的な評価向上を目指すならば、手厚いケアの必要性とそのアウトカムを示すことで、評価されるような仕組みを作った方が良いと考えている。

粗診粗療に対する懸念は、現行の7対1配置のような基準で担保し、プラスの評価は中身で行うべきではないだろうか。

また、病棟単位での加算はおそらく実現が難しいと思われる。(仮に入院料(≒病院)全体での加算だとするならば、それは5対1入院料なので、加算の新設として要望しないはず・・・)

手厚いケアに対する評価引き上げは不可欠で大賛成。だが「5対1」という言葉が先行してしまうと、看護師確保競争の再燃(実際ありえるだろうし)などの懸念点・マイナスイメージがつきまとい、結果的に、評価引き上げに至らないというワーストシナリオが想定されてしまう。

そういった背景から、今回の記事では、加算以外の方法で、実質的に看護師の評価を高める方法を提案した。5対1で通すのはきついと思うのだけどなぁ・・・