2019/10/30

看護職員の将来需給バランスは、年齢給から職能給へのシフトが喫緊の課題であることを教えてくれている?

看護職員が2025年に27万人不足するという検討会の中間とりまとめが新聞等で報じられた。

看護職員、最大27万人不足 都市部で顕著、高まる需要 厚労省、2025年推計  :日本経済新聞

看護職員、2025年に6万~27万人不足 厚労省推計:朝日新聞デジタル

将来の看護職員の過不足については以前CBnewsで原稿を書いていたので、それらを引用しつつ、公立病院の看護職員の平均年齢などの新たな切り口を加え、CBnewsに原稿を書いた。

看護職員が余るか考えたら人事制度の課題に行き着いた - CBnewsマネジメント 看護職員が余るか考えたら人事制度の課題に行き着いた - CBnewsマネジメント

公立病院の人件費比率が高いということも、CBnewsで述べてきた(公立病院の構造的課題を解決するには - CBnewsマネジメント)のだが、データを見るとなかなか興味深い。

地方公営企業年鑑(2017年度)を基に作成

7対1・10対1の一般病棟を持つ公立病院において、看護職員の基本給と時間外手当などを見た。固定費と考えることのできる基本給は中小病院ほど高く、変動費と考えることのできる時間外手当などは、中小病院ほど低い。固定費が高く変動費が低い中小病院は相当利用率を上げなければならないはずだが、実際は利用率が低い。

今回のCBnewsの記事では、このような給与以外にも、年齢などから、地域性を見ているので、よろしければお読みください。

2019/10/18

昨日の補足(地ケアの院内転棟について)

昨日(1年前に書いたものですが、地ケア病棟の院内転棟に関する記事、読んで!)の内容の補足。

地域包括ケア病棟における院内転棟の割合を病床規模別に示した。今月の入院医療等の調査・評価分科会で示された表をグラフにしたもの(上)と、病床機能報告データを基にグラフにしたもの(下)⇒この下のグラフが1年前のCBnewsに載せたもの



2つのグラフ、ほぼ同じだ。

2019/10/17

1年前に書いたものですが、地ケア病棟の院内転棟に関する記事、読んで!

10月3日の入院医療等の調査・評価分科会(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000183658_00017.html)で示された地域包括ケア病棟に関する議論。

詳細は日経メディカル(地ケア病棟、大病院ほど自院内転棟が多い傾向)やCBnews(地域包括ケア入院料、200床未満と以上で分けた評価も)も記事にしている。

そんなことは分かっている。1年前にCBnewsの連載で、病床機能報告データから大病院ほど自院内転棟が多いことを示した。その上で、人員配置の緩やかな移行を促し、日本全体ではワイングラス型から砲弾型への転換を実現していることを評価すべきと述べた(詳細は下記記事参照)。

院内転棟型の地域包括ケア病床のはしご外しは時期尚早 - CBnewsマネジメント 院内転棟型の地域包括ケア病床のはしご外しは時期尚早 - CBnewsマネジメント

調査票を用いて多面的に調査・評価することは極めて重要だ。ただ調査票には医療機関の多大な負担がかかっている。しかし、ある程度のことは病床機能報告などの別ルートで収集しているデータで把握できることも事実である。もちろん、多面的な評価をするには、病床機能報告のデータでは無理なことも多いのだが、負担軽減を重視した「調査」を追求することは、今後ますます重要になるだろう。

色々書いたが、「1年前のCBnewsの記事をお読みください」ということが主旨だ。

読んで!

2019/10/16

尿路感染症のデータ分析結果は、記事にありませんが・・・

尿路感染症の転院率が高い病院には、在院日数の短いところが多い。
病院情報の公表(2017年度)について弊社で収集した各病院データを基に作成
年齢や症例数などで条件を絞り込んでいるので、診ている患者がまったく違うということは考えにくい。転院した先でも入院加療が必要とは言え、DPC病院での治療は落ち着いた患者は、比較的早期に転院していることが示唆される。

尿路感染症については、急性期のみならず、地域の医療システムのなかで切れ目のないケアが求められ、また、システム全体でリスクを低減させるか取り組むべき疾患のひとつではないだろうか。

そういった観点で、排尿自立指導料は極めて重要なケアである・・・という考えで、今朝のCBnewsの記事に(注: CBnewsの記事に尿路感染症のデータ分析はありません)

排尿自立指導料は大幅に点数アップすべき - CBnewsマネジメント 排尿自立指導料は大幅に点数アップすべき - CBnewsマネジメント

療養病棟での算定の難しさについて、独自に切り込んでみた。記事後半では、将来的にアウトカムベースの報酬に移行できるようなデータ収集などにも触れてみた。お読みいただけると幸いだ。

2019/10/14

時間はかかるが避けられない議論

以前ブログで紹介した愛知の話。(新聞の引用などはリンクが切れているものもあるが、お許しを)

病院銀座は「医療充実」の地域から「医療再編」の地域に変わるのか - 株式会社メディチュア Blog 病院銀座は「医療充実」の地域から「医療再編」の地域に変わるのか - 株式会社メディチュア Blog

統合に向けた議論が進展し、来週以降に、市民向けの説明会が開催されるようだ。(下記は常滑市民病院で開催される分)
2病院が地独にぶら下がり、それぞれが急性期中心と回復期中心にメリハリをつけた形で機能分担する方針のようだ。

公立病院どうしの再編として参考になる点が多いだろう。

2019/10/10

ご案内 医療機関向けトップマネジメントセミナー「地域医療構想を踏まえた今後の経営戦略」@愛媛・松山

伊予銀行主催、日本経営グループ・野村證券共催のセミナーが12月11日に愛媛県松山市で開催されます。

ご関心がございましたら、下記ご案内を参照いただけますと幸いです。

医療機関向けトップマネジメントセミナー「地域医療構想を踏まえた今後の経営戦略」を開催! https://www.iyobank.co.jp/press-release/2019/__icsFiles/afieldfile/2019/10/08/19-308_1.pdf(クリックすると直接PDFが開きます)

※弊社代表の渡辺がデータ分析等でお手伝いしている野村ヘルスケアの社長や、元厚労事務次官の二川氏が講師を務める予定です

2019/10/03

424病院リストの抽出傾向を理解せずにただ焦るべきではない

CBnewsに公立・公的病院などを対象とした再編統合の検証対象を抽出した424病院のリストに関する記事を掲載いただいた。
リストで挙げられていたからといって、即、再編すべきという意味ではない・・・という主旨の記事で、データ分析を中心にまとめているので、参考にいただけると幸いだ。

今回もデータ分析の結果を量産してしまい、マニアックなものもたくさんあったのだが、冗長になってしまうのでばっさり削った。

再編の議論は公立・公的の優先度が高いだけで、民間は関係ないという話ではない。また、議論は「どうやって地域の医療の持続性を高めるか」であり、その対応策のひとつが「再編」であるだけだ。再編以外の答えがあるところも少なくないはずと考えている。

2019/10/01

これは笛の価値が高いらしい

消費税10%の代物を買ってきた。

これは笛としての評価と中身の評価のバランスで、軽減税率が適用されない駄菓子。ニュース(子供の懐を直撃か 消費税増税で揺れる「駄菓子」  - 産経ニュース)にもなっていたので、思わず買ってしまった。
包装材料等が品質保持・衛生管理からの必要性や、流通上の利便性を有するか、通常必要な材質や形状か等の観点から「通常必要なもの」かどうか判断し、「通常必要なもの」に該当せず、「一体資産」に該当するものと考えられ、かつ、食品の価額の占める割合が2/3未満であるため、10%の標準税率となりました。出所:チーリン製菓の説明文 http://www.chirin.co.jp/smallgoods_taxinformation.htmlから引用・一部改変

笛としての資産価値が3分の1以上あるから仕方ないらしい。単価30円なので消費税にして2円か3円で、1円の違いしかないのだが。

駄菓子をたまに買う程度で、しかも1円なら全然気にならない。しかし医療機関にとって消費税増税は「悩ましい」の一言に尽きる。設備投資などへのネガティブな影響は、住民が良い医療を受けることに対し足を引っ張っている可能性すらある。

消費税については、以前CBnewsで記事を掲載してもらっているので、よろしければこちらをどうぞ。

消費税の抜本的な問題解決がなければ経営悪化は不可避 - CBnewsマネジメント 消費税の抜本的な問題解決がなければ経営悪化は不可避 - CBnewsマネジメント