先週土曜、ある地域の市民向け講演会を聴講してきた。地域の救急隊を統括している方と、地域の拠点病院の院長先生が話をしてくださった。救急隊の方は「限りある医療資源の有効活用に向けて」というテーマで、色々興味深い話をたくさんしてくださった。軽症救急の事例は驚くばかりで、会場がどっとわくような反応もあった。院長先生の話は、色々勉強になりすぎた(すごすぎて、ここに書けない)。
そんな話を聞いた直後である。CBnewsに最新の記事を掲載いただいた。
最後のグラフ(2ページ目なので、会員しか見れないのはお許しを・・・)に、すべてのエネルギーを注いでいる。
今回の改定で、某病院は、看護必要度が80%くらいになるのでは?と思っている。一方で、ギリギリになるところも出てくる。
そんな中で、記事の最後に書いた2つの懸念点に対し、配慮が足りていないように思う。個人的には、ハードルは上げずに、条件・基準を厳しくした方が、柔軟性も担保し、効率性・高回転化なども促せると考えている。また、「看護必要度を満たすため」に救急を受け入れるという病院側の意向で需要を生み出してしまう可能性が否定できない見直し案だ。
本来は、1件1件の救急搬送患者に対する評価を手厚くし、救急患者の受け入れインセンティブを高める。そして一方で、看護必要度では「救急」だけで評価しないようにする。そうすれば、病院は看護必要度を満たすかどうか気にせず、救急を受け入れられるときに受け入れ、そうでないときは他にお願いする、という自然な形になるはずだ。
看護必要度Ⅰで「救急搬送で入院」した患者を一律評価することも微妙だ。軽症救急もそうでない救急も入院すれば5日間、A項目2点が取れる。病院によっては、日勤帯の軽症救急ばかり取ろうと考えるところもあるだろう。地域によっては、それがありがたいというところもあるだろうが、重症な患者ばかりが回されてくる病院は、相対的に不満になるだろう。
看護必要度Ⅱで救急が除外されているのは、救急か否かに関わらず、医療資源投入とADLで評価されるため、それはそれで良いものだと思っていたのだが・・・。
先週の土曜の話を聞いて改めて感じたことだが、救急医療にはもっと点数をつけるべきだ。しかし、看護必要度で評価するのはちょっと違うのではないか。データ分析をしながら感じた次第だ。改定でどうなるか分からないが、現場は診療報酬制度を上手くクリアしようと努力する。それだけに、その努力が正しい方向に向かうように制度を作ってもらいたい。