2013/02/06

マスクとインフルエンザ

インフルエンザ、どうやらピークを迎えたようだ(ピークだと信じたい)。

■さっぱり見かけなくなった『ガーゼマスク』

街中を歩いていても、マスクの人がとても多い。マスクをしている人の中には、そろそろ花粉症対策の人も出始める頃かもしれないが、気になることがひとつ。マスクと言えば、子供の頃はガーゼマスク(下の写真の一番左のもの)がほとんどだったと思う。

(左)平型マスク (中央)プリーツ型マスク (右)立体型マスク
(社団法人 日本衛生材料工業連合会より)


日本衛生材料工業連合会のホームページ(http://www.jhpia.or.jp/product/mask/index.html)によれば、不織布タイプの比率が高まっていて、

「家庭用マスク」は、マスク性能を大きく左右するフィルター部分の素材により、「ガーゼタイプ」と「不織布タイプ」に2種類にわけられます。ガーゼは「家庭用マスク」として古くから使われている素材で保湿効果の面でも優れています。「医療用マスク」の素材として一般的だった不織布は、近年の花粉症流行により急激に普及。現在は、家庭用マスク総生産数の9割以上*を占めています。
*全国マスク工業会調べ「2007 年度上半期家庭用マスク素材別生産比率」より

とのこと。家にあるマスク、確かにほぼ不織布タイプだけになっている。また弊社の11月~1月の3ヶ月間の調査、社会人マスク着用者1,100人における割合では、ほぼ100%に近い割合で不織布タイプだった。またプリーツ型だけでなく、立体型マスクも一定割合見られたことは意外だった。花粉症の時期には、さらに立体型の割合が高くなるのではないだろうか。


■インフルエンザ感染者数とマスク着用者数の関係性

インフルエンザにかかってしまったら、マスクをしたところで治るわけではないが、感染拡大を防ぐためにも、医者や薬局に行くときは、最低限のマナーとして、マスクをするべきだろう。インフルエンザの感染予防、感染拡大予防については、日経トレンディネットの記事がわかりやすく紹介していた。

インフルエンザの流行は、Twiflu(ツイフル)や、国立感染症研究所の症候群サーベイランスなどで、いち早く情報をキャッチする試みがなされている。

弊社でも、Twifluと似ているがTwitter等のウェブからの情報収集や、街中の定点観測をし、先行指標となるものがないか調査してきた。定点観測の1つが、同じ場所でマスク着用者数のカウントであったのだが、東京でインフルエンザが流行し出す前、気温の低下とともにマスク着用者が増えていくことを捉えていた。その後、インフルエンザの流行とともに、マスク着用者数は日に日に増え、先週ピークに達したようである。

インフルエンザ患者動向とマスク着用者数・気象データの関係性
(出所 インフル患者数:ORCAサーベイランス、気象データ:気象庁、マスク着用者数:弊社独自調査)

インフルエンザなどの季節性の疾患をいち早くキャッチし、効率的に、うがい・手洗いなどの徹底を図ることで、少しでも感染を抑えることができれば・・・と願う。


■流行の可視化

どの地域で流行っているのか。これはインフルエンザに限らず、感染性のものは、情報の正確性と鮮度が高ければ、非常に有益なはずだ。前述のORCAサーベイランスや、国立感染症研究所のサーベイランスも可視化に取り組んでいる。ORCAの例では、医師会単位で見ることができるようなリアルタイムマップなるものもあり、興味深い取り組みである。
ORCAサーベイランス
国立感染症研究所サーベイランス


海外の事例も似ているが、アメリカのwebMDに掲載されている情報は州レベルから、ドリルダウンして、群レベルまで詳細に見ることができるようなものもある。


このような情報の可視化は、より詳細になればなるほど、具体的な対策に結びつく可能性を秘めている。インフルエンザ等の感染症の予防対策には、ワクチン接種や日頃の健康維持も重要だが、情報の可視化も役立つに違いない。

余談だが、マメたろうのインフルエンザ予防動画、おこさま向けですが、わかりやすくてよい。