ブログでは、あまりDPCの話題に触れない(触れたくない)のだが、なぜか「機能評価係数」や「コーディングマニュアル」というキーワードで検索され、このブログにたどり着いていることが多い(医療者など病院関係者か)。ちなみに、それ以外では、活動量計でたどり着く人も多い(これは一般の人か)。
ここ最近は、機能評価係数Ⅱの内示があったからだろうか。おそらく、色々な興味が湧いているに違いない。prrism社のホームページには、今年も平成25年度機能評価係数Ⅱの内示にかかるFAQがアップされているが、さすがに去年ほどの騒ぎにはなっていないことだろう。
機能評価係数Ⅱについては、今週のDPC評価分科会で何かしら触れられるのかもしれないが、配分が変わっていないようなので、すでに下がった・上がったで一喜一憂しているところもあると思われる。ちなみに、あくまでも相対評価なので、自分の病院が前回と同じ実績でも、今回の係数が同じになるわけではない点には、注意が必要だ。
コーディングマニュアルは、どういったものになるか、個人的にはあまり興味が無いのだが、その先、日本の入院包括払いがどうなっていくのか、という点については、マニュアルが不要になるような制度設計になっていくように思われる(コードブックは必要だが、コツの類いや制度化できない慣習が記載されたマニュアルは不要、という意味)。その方向性としては、DPC研究班の資料が参考になる。この資料において、CCP(Comobidity Complication Procedure)マトリックスが示されている。医療資源の必要度などに応じた病院ごとのバラツキを、現行は調整係数といった病院ごとに決まった値で調整する方法は、収入が担保される病院にとっては良いかもしれないが、医療費を負担する患者個々人・保険者にとっては理解できない制度であるだけに、このマトリックスは、患者の状態に応じて、支払額を調整させることができ、納得性の高い仕組みになる可能性がある。
少なくとも、「調整係数」で調整されている医療資源の必要度などのバラツキを、機能評価係数で評価・吸収していくことは避けてもらいたい。(それは調整係数が残ることと同義だ)
どういった視点で医療制度を良くしていくか。今一度、患者視点で物事を考えるべきだと思う。先月、レポートとしてまとめ、発行した「患者視点が置き去りになったDPC/PDPS制度」。機能評価係数Ⅱが内示され、まもなく年度が変わる、このタイミングで読んでいただけると幸いである。
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