2014/02/08

患者が不安になる瞬間 その2

昨日、患者・薬剤師・医師がミスコミュニケーションにより、不安になった例をあげた。今日は患者・クリニック医師・病院医師の例を見てみたい。


クリニック医師:内視鏡で見たところ、胃に問題がありそうなので、専門病院を紹介します

患者:え、それはがんかもしれないということですか?

クリニック医師:はい、悪性の可能性もあります。しっかり診てもらって方がいいです

患者:分かりました



~ようやく外来・検査の予約がとれた2ヶ月後、専門病院で内視鏡検査を終えて~

患者:先生、どうでしょうか

病院医師:何とも言えません。病理の結果をお待ちください

患者:がんかどうかは分かりませんか

病院医師:待ちましょうって言ってるんですから、待ってください

患者:はい・・・

患者:(クリニックでがんかもしれないって言われたから不安になってるのに)

患者:レントゲンとか血液検査とかで気になるところはありませんか。

病院医師:次回、まとめて話しますから。予約入れて帰ってください

病院医師:(素人が分かりもしないくせに色々聞いてきて面倒だなぁ)

患者:すいません・・・・

患者:(この2ヶ月不安で仕方なくて・・・。今日はちょっとでも様子がわかると思ってたのに)


横柄な態度の病院医師に問題があるように思うかもしれないが、この医師の置かれている環境が、極めて忙しく、まともに食事を取る暇もない状況であったなら、この対応も理解できる。

また、患者は長い間不安なまま待たされているだけに、診察の限られた時間の中で、精一杯のことを聞きたくなる気持ちも分かる。

そして、クリニックの医師は、患者が自分のアドバイスを無視し専門病院へ行かない事態などを避けるため、その時点で考えられるリスクを説明し、紹介することの必要性を話している。決して過度に不安を煽っているわけではない。

このようなケースは避ける事ができないのだろうか。昨日の患者・薬剤師・医師のミスコミュニケーションの例と合わせ、またの機会に考えてみよう。