しかし、所詮は都道府県単位で平均化されたデータだ。本当であれば、個人個人の虫歯有無に対し、家庭事情、好き嫌い、様々な物の購買データ、学歴、行動習慣等の情報をぶつけ、関係性を調査すべきだ。サンプル調査ではなく全量調査。平均データではなく全データ。これがビッグデータ時代の分析だろう。
行動習慣のデータ化、ディープダイブ
歯磨き回数が虫歯のあるものの割合を減らしている話があった。歯磨き自体の上手下手をデータ化することもできるだろう。実際、電動歯ブラシでは磨き方のくせなどを評価してくれる製品もある。プラチナ・ブラック 7000 |電動歯ブラシ【ブラウンオーラルB】 |
'Smart' toothbrush grades your brushing habits - CNN.com |
磨き方だけでなく、歯磨きの時間から生活習慣などもデータ化されたり、唾液成分から食べた内容を把握したり、様々な情報を取得できるのは、もう夢物語でもなんでもない。現実の話だ。これらのデータから個々人を理解したスモールデータ(ディープデータ)を作り出し、虫歯を減らす策を考えることで、これまでとは全く違う情報が見えてくるかもしれない。このスモールデータを作ることの価値が高まるに違いない。逆に「ビッグデータを扱える」というだけでは価値が下がるだろう。
ビッグデータ、スモールデータ、スマートデータ。様々な用語が流行りの言葉として良く聞くようになった(自分が踊らされている一人でもあることは否定しない)。データを生み出すことの価値、組み合わせることの価値、スモールデータにする(ディープダイブする)価値。様々な価値に注目が集まる中で、基本的な統計や分析の知識・理解は重要だろう。虫歯を例に、実際に分析事例を織り交ぜながら、ビッグデータ時代の基本的なところを見つめなおしてみた。
最後だが、歯磨きは大事、ということだ。