都道府県拠点病院・国立がんセンターをオレンジ色で、その他の拠点病院を青でプロットした。
横軸は単純にがん登録の件数。件数が多い施設は年1万件近くに達している一方で、少ない施設は160件弱。マスコミならば「実に50倍以上の格差が生じていた!!」と煽るところかもしれないが、大都市とそうでないところの地域性の問題もあるので、あまり意味が無いだろう。ただ、がん登録推進法が来月から施行されることで、拠点病院以外の数字も明確になってくる。拠点病院は単純に件数だけではなく機能・役割も含めて認定されているとは言え、拠点病院と周辺施設と比較し、数の逆転現象が起きていたりすれば、あらためて議論が起きる可能性は十分にあるだろう。(ちなみに、件数が最も少なかった病院では、周辺の市立病院の方ががん登録の件数が多くなっていると思われる)
縦軸は集計登録数に占める「他施設診断 自施設治療数」の割合だ。簡単に言えば、周辺医療機関でがんと診断され、拠点病院に紹介されてくる割合である。拠点が拠点らしくあるためには、周辺からがんの患者が集まってきていることが極めて重要なポイントとなると考えている。
オレンジの点を見ると、比較的件数も多く、紹介されてくる患者比率も高い様子が見えてくる。つまり、都道府県拠点病院(拠点病院の中でも中核病院)は中核らしい役割を果たしていると言える。
都道府県拠点病院・国立がんセンターの中で、この「他施設診断 自施設治療数」の比率が高かったTOP3は次の3病院だ。
1.愛知県がんセンター中央病院
2.大阪府立成人病センター
3.がん研有明病院
逆に比率が低かったのは次の3病院となった(最も低い方から順に表記)。
52.山梨県立中央病院
51.滋賀県立成人病センター
50.福井県立病院
上位には大都市部の病院が、下位には地方の中核病院が並んだ。下位=悪い、と単純に考えるのではなく、診断前の時点で拠点病院に紹介されている、すなわち中核病院ががん診断・治療を圧倒的にリードしていると理解すべきかもしれない。
件数3,000件以上: 大阪大学病院、埼玉医大国際医療センター、京都大学病院
件数2,000件以上: 新潟大学病院、弘前大学病院、群馬県立がんセンター
名前を見ると、「あれ? ここって都道府県拠点病院じゃないのか??」と思うところが並んだ。
1都道府県に2施設以上あるのは例外と考えると、上記施設が都道府県拠点に認定されることは無いのかもしれないが、実績は十分すぎるように思う。
余談だが、グラフを大きく外れた1,000件前後で紹介割合が極端に高いのは、鹿児島の相良病院と北海道の恵佑会札幌病院だ。これもまた、聞く人が聞けば、「あぁ、納得!」であろう。データって本当に面白いものである。
がん診療拠点病院(409病院)のがん登録件数と「他施設診断 自施設治療」件数の占める割合 出所: がん診療連携拠点病院 院内がん登録 2013年全国集計 報告書(平成27年7月 国立がん研究センター がん対策情報センター)を基に作成 |
オレンジの点を見ると、比較的件数も多く、紹介されてくる患者比率も高い様子が見えてくる。つまり、都道府県拠点病院(拠点病院の中でも中核病院)は中核らしい役割を果たしていると言える。
都道府県拠点病院・国立がんセンターの中で、この「他施設診断 自施設治療数」の比率が高かったTOP3は次の3病院だ。
1.愛知県がんセンター中央病院
2.大阪府立成人病センター
3.がん研有明病院
逆に比率が低かったのは次の3病院となった(最も低い方から順に表記)。
52.山梨県立中央病院
51.滋賀県立成人病センター
50.福井県立病院
上位には大都市部の病院が、下位には地方の中核病院が並んだ。下位=悪い、と単純に考えるのではなく、診断前の時点で拠点病院に紹介されている、すなわち中核病院ががん診断・治療を圧倒的にリードしていると理解すべきかもしれない。
都道府県拠点病院っぽいところはどこか
都道府県拠点病院はグラフの右上に来ていることから、青色で右上にある施設を調べてみた。件数3,000件以上: 大阪大学病院、埼玉医大国際医療センター、京都大学病院
件数2,000件以上: 新潟大学病院、弘前大学病院、群馬県立がんセンター
名前を見ると、「あれ? ここって都道府県拠点病院じゃないのか??」と思うところが並んだ。
1都道府県に2施設以上あるのは例外と考えると、上記施設が都道府県拠点に認定されることは無いのかもしれないが、実績は十分すぎるように思う。
余談だが、グラフを大きく外れた1,000件前後で紹介割合が極端に高いのは、鹿児島の相良病院と北海道の恵佑会札幌病院だ。これもまた、聞く人が聞けば、「あぁ、納得!」であろう。データって本当に面白いものである。