そんな改定をして、誰が幸せになるのか?
基準をクリアできた病院は、満たせなかった病院を尻目に「うちはクリアできた、よし!」と感じるだろうか。
基準を満たせなかった病院に入院した患者は、「受ける医療に見合った費用負担になった。すばらしい」と感じるだろうか。
保険者は、●■%の病院が脱落して、保険料の財源が守られたと感じるだろうか(感じそうだな・・・)
前回改定では、看護必要度について様々な議論がなされたが、最後、4つの案が示され、公益裁定で案3になった。その4つの案のシミュレーション結果のうち、基準を変えない場合の脱落する病院割合をグラフにした(下図)。
中医協資料を基に作成 |
案3と案4のどちらが適切かはよくわからない。案4は影響が大きすぎ、案3が落とし所と受け取れるような結論になった。
こういった決め方は、22年度改定に限らず、過去の看護必要度の改定はどれも似たようなものだ。たくさんデータ分析した資料が出てきて、それに基づき議論したところで、全然科学的でない。
という現状に対するアンチテーゼ的な意味合いで、下記の記事を書いた。
看護必要度、骨の手術の評価は6日間が妥当? - CBnewsマネジメント
ただ、これで「そうだよね。看護必要度の議論は科学的でないよね」とみんなで慰めあったところで、おそらく次の改定も、何%の病院が脱落する・しないで議論をする。なので、どういった対応をすべきか考える内容で締めくくった。