2013/04/22

患者が選ぶ調剤薬局(meditur insight vol.2より)

■調剤薬局に対する「患者、一般市民目線」の強化


個々人が明確な意図を持たず薬局を選び、処方してもらっている現状では、立地がよい薬局や、資金力のある薬局チェーンが生き残ってしまう。このとき、たまたま残った薬局が、真に生き残る価値ある薬局、価値ある薬剤師を抱えた薬局であれば地域の住民は幸せだが、そうでなかった場合、薬局の淘汰、入れ替わりをじっと待つしかなくなってしまう。 そこで、個々人で取ることのできる行動によって、地域の薬局をより良くすること、もしくは、より良い薬局が生き残るようにできないか考えてみる。


① 門前薬局の取捨選択

現状多く見られる、病院から近いという理由だけで門前薬局
を選ぶ行動をまず変える。自分の行っている薬局が良いかどうか、判断基準を持つことが肝要。分からないことを質問し、その回答の分かりやすさで、良し悪しの判断をすることも一案。例えば、「処方された薬で、一緒に飲食してはいけないものがないか」や「ジェネリック薬に替えるとどのくらい変わるのか。そのジェネリック薬はどのくらい処方されているものなのか」や「明細に書かれている、○○料とは何を指しているのか」など、どのようなことでも構わない。懇切丁寧に説明してくれる薬局・薬剤師を選ぶことは、良い薬局・薬剤師が生き残るきっかけになる。

② かかりつけ薬局探し、1薬局への集約

薬局の前の医療機関に出してもらった処方箋だけを持って行っても、薬局・薬剤師の本当の実力を図るには不十分である。複数の医療機関の処方箋を、1つの薬局に持って行き、これまでの処方された履歴に応じたアドバイスをもらったり、質問に答えてくれたり、「かかりつけ薬局」として応対できるかが重要である。複数の、特に門前でない医療機関の処方箋を持って行くと、柔軟に対応できる薬局と、対応できない薬局の実力差が如実に現れる。柔軟な対応ができる薬局は、在庫があり、また薬剤に対する知識、処方の経験があるため、相談に乗ってもらい易い。一方で、対応できない薬局は、薬剤の取り寄せになるだけでなく、処方の経験も少ないため、相談に乗ってもらう場合でも、過去の経験に基づく情報を得られることは考えにくい。 


個々人であっても、「よい薬局」の判断基準を持つことができれば、どのような薬局に生き残ってもらうべきなのか考え、日々の行動に反映することができる。その結果、地域にとって、真に良い薬局が生き残るのではないだろうか。

meditur insight vol.2 「調剤薬局の課題と未来」より