15年以上前の本を読んだ。
いまさら感のあふれる本だと思って、軽く読もうと開いてみたのだが、意外と面白かった。ホスピタルアイデンティティ(HI)のブームが来ていたのか、様々な院長がHIを決めたことを誇らしげに書いていた点は時代を感じさせるが、相澤病院の相澤孝夫理事長や、恵寿総合病院の神野理事長、北原脳神経外科病院の北原理事長など、その後の活躍を考える上で貴重な文章が多くあった。
相澤理事長の文章では「24時間365日体制の救急外来を開き、(中略)、急性期リハビリテーションを行い、早期退院、早期離床を促すための退院準備病等をつくる」と書かれている。これが現在の相澤病院において、重要な意味を成していることは疑いの余地がない。
また、神野理事長は、「医療業界も業務の見直し・改善(リエンジニアリング)に真剣に取り組む時期である」と述べている。これは今もそのまま通用する言葉だ。具体的な取り組み内容も今となっては当たり前のことかもしれないが診療材料のSPD化や臨床検査の院内LAN構築、薬品在庫管理・卸一社化、オーダリングシステム導入などの取り組みが書かれている。
サバイバル戦略というタイトルの本だが、先頭集団の取り組みは学ぶところが多いということを歴史が証明してくれる良い本だと思う。そして、今の先頭集団(それは国内?海外?)から学ぶことの重要性を再認識した。