地方創成の観点で何かしら参考になるのでは・・・と思ったのだが、ゴルフ会員権のことなど、自分があまりよく知らない時代の出来事を理解でき、勉強になった。
特に印象に残ったのが、次の一節。
1989年10月に開かれた軽井沢青年会議所(藤巻進理事長)主催のリゾート・フォーラムで同席した大手シンクタンクの主任研究員のパネラーはこう語った。「あの頃われわれプランナーが実需要者としてイメージできたのは、OLと中小企業経営者、土地成り金と歯医者さんぐらいだった。そういう人向けの施設がホテル、ゴルフ場にスキーもしくはマリーナを貼り付けた三種の神器リゾートだった。自分たちも驚いたのだが、各県の基本構想のどれをとっても、これらの神器がズラリで、個性的なのはほとんどなかった」と正直に告白してくれた。
事実、各県が国に提出した基本構想の添付資料を見れば、とりわけ目立つのは進出企業の事業計画が、ゴルフ場とホテルにスキー場かマリーナというお定まりのワンパターンだ。固有名詞と数値を入れ替えたら、どこでも同じ、マニュアル化したデータしかない。このような、どこを見ても同じ構想で、まるで「金太郎飴」のようなレジャー施設の計画では、「地域の個性を発揮して」とか、「国民ニーズの多様化に即応して」とかいう官庁用語は虚しく響く。
日本全国で金太郎飴のようなリゾート計画がなされていて、ゴルフ場、スキー場、マリーナ、ホテルがお決まりだったらしい。
弊社は、様々な機会を通じて、医療関連の計画・構想を色々見比べる機会が多い。例えば、各都道府県の医療保健計画はどこも似たり寄ったりだが、内情を理解するには役立つ(その地域を知らない自分だからこそ役立つ側面は否めないが)。この先、検討がなされるであろう地域医療構想は、さすがに金太郎飴のレベルでは済ませられないと思うが、一体どうなることやら。そして、データヘルス計画は、金太郎飴すら面倒と思っているところから、非常に緻密な計画を立てているところまで格差が激しい。
金太郎飴の計画で出来上がったリゾートは、その後どうなったのだろうか。すでに25年が経っている。我々は現在の姿を知ることができる。これは検証しても良いのではないだろうか。(リゾートの専門家では無いので、その術を持ち合わせていない。誰かしら検証してそうだ)
金太郎飴の計画でも、しっかり魂を込めて、実行すれば良いのか。そもそも金太郎飴の時点でダメなのか。知りたい。医療関連の計画の参考になると思うのだが・・・。