2017/04/26

他を凌駕する連携強化に必要な視点と投資

先日、下記の都内で開催されたセミナーを拝聴してきた。どの方も、制度の解説ではなく、持論の展開なのでひとつひとつが参考になり、大変勉強になった。

巨樹の会の桑木先生の話は初めてだったが、アウトカムを重視したアグレッシブな経営方針と人材投入の仕方は非常に興味深かった。特に、急性期病院から回リハへ、いかに早期の患者を回してもらうか、受け入れられるようにするかといった部分は、診療報酬上のリスクを超越した、患者のアウトカム重視のリハ実施だと思った。一方で、回リハなのに、急性期での経験豊富な内科・外科の多様な医師を揃えていたり、必要に応じてCT等を撮れる体制を構築していたり、医療上のリスクは、しっかり回避している点も興味深かった。

ちなみに、余談だが、回リハで内科・外科の医師を揃えている話は、以前、バンコクの美容外科の世界トップレベルの病院で聞いた話と似ている。そのバンコクの病院では、美容外科だけに特化するのではなく、内科から外科、そこでは心臓外科も含めた様々な診療科が一緒に診療を行っている総合病院の体制を整えておくことが、美容外科のいかなる手術も安全に行うために重要であると言っていた。

連携の強化には、各機能間でより早期の患者を受け入れることも意味している。このとき、診療報酬上のリスクと医療上のリスクをいかに回避するか。これが経営判断であり、人材や設備に投資できれば、他との差別化となる。

【HMS政策研究集会】2018年同時改定と病院経営シンポジウム
 ~2018年同時改定に伴う機能別(急性期・地域包括ケア・回復期リハ・慢性期)改革のポイントと2025年の超高齢社会に対応し、医療・介護一体改革が目指す医療・介護の融合時代の病院経営を探る~

公益社団法人 全日本病院協会副会長
社会医療法人財団董仙会 恵寿総合病院
神野 正博 氏

一般社団法人日本慢性期医療協会 会長
武久 洋三 氏

保健・医療・福祉サービス研究会 診療報酬・病院経営指導講師
株式会社MMオフィス 代表
関東学院大学大学院 非常勤講師
工藤 高 氏

千葉大学医学部附属病院 副病院長
病院長企画室長・ 特任教授・経営学修士(MBA)
井上 貴裕 氏

一般社団法人巨樹の会 副理事長
桑木 晋 氏

保健・医療・福祉サービス研究会 在宅医療事業部講師
医療法人社団永生会 特別顧問
中村 哲生 氏