先日も書いたが、今月の「病院」の特集が非常に興味深い内容だった。この半年ほど、同じようなことを考えていた、まさにどんぴしゃの内容。医療者の「奉仕の精神」に強く依存し何とか経営が成り立っているという病院は少なくない。そこに、モチベーションをあげろ、ワークライフバランスを守ろう、医療の質を上げろ、患者満足度を上げろ、経営改善をしろ・・・と無理難題を積み重ね続ければ、組織・システムとしての病院は崩壊してしまう。このような難局をうまくマネジメントしていくことが病院には求められている。そして、そのマネジメントができるのは「医療」と「マネジメント」が分かっている人材である。(当然ながら、医者であることは絶対条件ではないが、医者がマネジメント経験も豊富だと良いことは確かだと思う)
ちなみに、下の一文は、とある海外の病院のCOO募集要項にあった必須要件のひとつだ。
「データモニタリングを通じた業績評価のための高い分析スキルを有すること」といった意味だろうか。ここで言う分析スキルは、作業としての「分析」ではなく、深い洞察力を指していると思う。病院スタッフはこの洞察力を養うことこそが重要なのだが、現場が忙しく劣後しているように思う。
- Demonstrates strong analytical skills to evaluate results through data monitoring.
「洞察力を養う」「マネジメント」を意識する。そんなことをこの1年くらいセミナーや研修等でお伝えしてきたつもりなのだが、自分の話より、むしろ今月の「病院」を読んだ方が良かった、というのが今日の結論である。
余談だが、下は読み途中にツイッターでつぶやいた内容。
「済生会熊本病院では、職員募集は”事務職”としては募集してません。”マネジメント職”として募集します。そうすると応募してくる数が全く違います」 病院 2017年4月号(医学書院)、巻頭の正木さんの対談記事、すごく良い。— M Watanabe (@moj0i) 2017年4月2日
そして、済生会熊本の田﨑さんの記事が、経営マネジメント職の具体的な人材像を明らかにしている。読み応えがある。— M Watanabe (@moj0i) 2017年4月2日
(医学書院のウェブサイトは、まだ最新号が3月号のままかな・・・https://t.co/U7KSooXA2T )