2017/04/05

病院は奉仕の精神で何とかを保っている砂上の楼閣

医学書院 病院2017年04月号 (通常号) ( Vol.76 No.4)特集 生き残る病院の事務職

先日も書いたが、今月の「病院」の特集が非常に興味深い内容だった。この半年ほど、同じようなことを考えていた、まさにどんぴしゃの内容。医療者の「奉仕の精神」に強く依存し何とか経営が成り立っているという病院は少なくない。そこに、モチベーションをあげろ、ワークライフバランスを守ろう、医療の質を上げろ、患者満足度を上げろ、経営改善をしろ・・・と無理難題を積み重ね続ければ、組織・システムとしての病院は崩壊してしまう。このような難局をうまくマネジメントしていくことが病院には求められている。そして、そのマネジメントができるのは「医療」と「マネジメント」が分かっている人材である。(当然ながら、医者であることは絶対条件ではないが、医者がマネジメント経験も豊富だと良いことは確かだと思う)

ちなみに、下の一文は、とある海外の病院のCOO募集要項にあった必須要件のひとつだ。
  • Demonstrates strong analytical skills to evaluate results through data monitoring. 
「データモニタリングを通じた業績評価のための高い分析スキルを有すること」といった意味だろうか。ここで言う分析スキルは、作業としての「分析」ではなく、深い洞察力を指していると思う。病院スタッフはこの洞察力を養うことこそが重要なのだが、現場が忙しく劣後しているように思う。

「洞察力を養う」「マネジメント」を意識する。そんなことをこの1年くらいセミナーや研修等でお伝えしてきたつもりなのだが、自分の話より、むしろ今月の「病院」を読んだ方が良かった、というのが今日の結論である。

余談だが、下は読み途中にツイッターでつぶやいた内容。