2014/11/05

海外から患者を呼びこむ前に、海外へ出て行く患者を食い止めよ

世界中で日本でしか受けられない医療に絞り込めば、海外から患者がやってくる可能性はあるのかもしれない。しかし、それ以外の領域では、皆保険で差別化の難しい日本の病院(ハード・ソフトの両面)において、海外から患者を受け入れるだけの投資が出来ている病院なんて、無いのではないだろうか。そもそも『海外からの患者を受け入れること』前提で作った病院は日本では見かけない(一部、海外駐在員向けのクリニック等を除く)。


なので、正直、この記事には半信半疑だ。
すでに粒子線治療などは、日本の優位性はあまりないように感じる。下のリンクに国内とアメリカの施設が紹介されているが、すでに海外患者受け入れ実績のあるアメリカの医療機関が治療施設を積極的に作っていることを考えると、日本が勝てる要素は少ないように思う。


また、記事の海外への『売り込み』であれば、まとめて売ろうとするのではなく、ギラギラした医療機関に対し、売り込みのための人材共有や資金援助をすべきと思う。『ガイアの夜明け』で取り上げるような内容を支援するイメージだ。300病院まとめた時点で、おそらく誰も本気にならないだろう。ガイアの夜明け風に構成するならば、ギラギラした人が中東に出て行って、強引な交渉で、患者を捕まえてくるスキームを作り上げ、成功しだすところでエンディング、といった感じだ。(やはり300病院のカタログを作ったって、このエンディングは見えない・・・・)

それよりは、日本で受けられない医療を受けるために海外へ出てしまっている患者を、日本で受けられるようにすることの方が大事な気がする。特区に期待しているのはそういうことなのではないだろうか。