2014/11/16

よい患者を育てる『医療の透明性』

先日、日本病院会が2013年度のQI(Quality Indicator: 医療の質を表す指標)プロジェクトの報告資料を公表した。

2013 年度 QI プロジェクト 結果報告 www.hospital.or.jp/pdf/06_20141106_01.pdf

こういった医療の質を比較・公表する姿勢は、もっともっと評価されるべきだ。一般人にはなかなか分かりにくい内容ではあるものの、マスコミなどが騒ぎ立てる「名医」や「スーパードクター」より、よほど大事なことのように思う。

満足度のような定性的な評価だけでなく、周術期の抗生剤管理など、医療の質を評価する項目も多くある。後者はある程度読み手の知識・理解力を問う。このような知識をつけていくためには、一般市民に頑張れ!というだけではなく、このような医療の質の情報が公開される環境を整備することも必要だ。

先日、アメリカの病院の先生の話を聞いたとき、『透明性』という言葉を繰り返していた。病院の透明性向上が、よい病院を作り、よい患者を育てる。そう思う。

上記リンクの資料、内容は盛りだくさんだが、ぜひご覧いただくことをオススメする。

余談だが、患者満足度の比較において、入院患者で満足と答えた人の割合が最大90%超から、最低は10%くらいまで、非常にばらついていた。(設問は「満足、やや満足、どちらともいえない、やや不満、不満」の5段階で回答) 10%しか満足と答えない病院はどこなのだ!?と思ってしまうが、病院名は隠されている。この部分は興味本位で知りたい的な要素が強く、定性的な評価なので病院名を隠してもいいと思う。しかし、脳梗塞の早期リハ実施率のような内容は、病院名を公表しても良いように思う(改善が加速すると思う)。いかがだろうか。