2013/03/20

経過措置がそろそろ終わる「初診料の減額」、いったいどこの病院が

24年度の診療報酬改定で初診料270点が、下記の要件を満たす場合、200点に減額される制度が、いよいよ来月からスタートする(逆紹介して外来受診した場合の減額も)。これに合致する施設がどのくらいあるのかという点も興味がある。

初診料 200 点(紹介のない場合)

[算定要件] 
  1. 紹介率が 40%未満の特定機能病院及び 500床以上の地域医療支援病院において、紹介のない患者に対して初診を行った場合に算定する。
  2. ただし、1の要件に該当する医療機関であっても、逆紹介率が 30%以上の場合は、当該初診料は算定しない。

  • ※ 紹介率及び逆紹介率の計算については、下記のとおりとする。 
  •  紹介率 = (紹介患者数+救急患者数)/ 初診の患者数 
  •  逆紹介率 = 逆紹介患者数 / 初診の患者数
[経過措置] 紹介率の低い特定機能病院及び 500 床以上の地域医療支援病院において、 紹介なしに当該病院を受診した場合の初診料の評価を導入するのは、平成 25 年 4 月 1 日とする。

しかし、この制度、ペナルティとしてはあまりインパクトがない可能性が高い。というのも、とある病院で試算したところ、外来単価に与える影響は非常に軽微で、外来患者数がわずかに増加すればカバーできる(1%未満の増加率で十分なケースも)見込みであった。また、患者視点で考えると、紹介状なしで上記条件に合致する病院に行けば、割安になる制度である。
さらに、選定療養費のことを考えると、もはや無意味な制度としか思えない。選定療養費を700円アップさせれば、病院にとってはこの制度自体が完全に形骸化し、患者も自己負担ではわずかに増えるものの、影響はほぼ無いといっても過言ではない。(その点では逆紹介後の外来診察料はまだ合理的)

フリーアクセスである日本の皆保険制度。その制度を維持しつつ、医療資源を有効に活用するためにコントロールするには、以前ブログでも書いたが、外来のペナルティについては、入院料の減額など、これまでとは発想を変えた制度を検討すべきではないだろうか。

いずれにせよ、経過措置が終わり、4月1日から開始するこの制度、注目である。