『米IBM「考えるコンピューター」、ワトソン、医者をお助け、保険事務や臨床診断。』というタイトルで書かれていた内容は、これまで聞いていたものと大差はないものの、確実に進歩している様子が伺える。
医療分野では「急速な進歩で関連情報が5年ごとに倍増している」が、そのうち臨床治療に反映される成果は一部だ。ワトソンを使って膨大な医療関連データから、必要な情報を的確・迅速に引き出すことで、医療現場での大幅な時間短縮や効率化につなげるのが狙いだ。 (中略)
IBMは2011年に米保険大手ウェルポイントと、12年にがん治療専門のメモリアル・ソラン・ケターリングがんセンター(MSK)と組み、保険事務と臨床診断を焦点にそれぞれプログラムの開発を進めてきた。 この日発表した2つのプログラムのうち、より商用化が近いのがウェルポイントと開発した保険請求手続き簡略化に関するシステムだ。 出所:2013/3/25 日経産業新聞この記事にも書かれているように、IBMは保険会社(ウェルポイント)と病院(メモリアル スローン ケタリング)と組んで、プログラムの開発を進めてきたことは、独自性があり、他の追随を許さない有益なものになるかもしれない。新聞では細かく触れられていなかったが、NEJM等の論文を自然言語処理し、臨床にフィードバックする仕組みは、早かれ遅かれ、スタンダードになるような気がする。
論文検索結果イメージ(弊社作成イメージ) |
EBM(Evidenced Based Medicine)が診療の基本のひとつとして理解されている現状において、最新情報を得ることは何よりも重要である。そのために医療者が多くの時間を割いていてはいけないのかもしれない。
そして、論文だけでなく、様々な情報ソースから、患者向けに上記イメージを作ることはできないだろうか。患者理解を深める仕組み、何とか考えて行きたい(上記イメージ、実のところ、元々は患者向けで構想を練っていたのだが、この日経産業新聞の記事を読んで、医療者向けにもいいかな、と思った次第である)
「医療のあり方を変える」と言っているIBMの取り組みは、決して歩みを止めないだろう。日本でもどういった動きが起きようとしているのか、注目して行きたい。