2014/05/12

こどもの虫歯から、相関と因果を考える(第3回)

仮説3: 親のしつけの問題では(仕組みがうまくいっていない)


高校卒業時の進学率と未治療歯のある者の割合との関係性
出所: 総務省統計局 日本の統計 2014、 文部科学省 学校保健統計調査(平成25年)を基に作成

高校卒業時の進学率と未治療歯のある者の割合との関係性には、それなりの相関性が見られる。負の相関であるため、進学率が高いほど虫歯が少ないことを意味している。

高等教育を受けていることが、短絡的に親のしつけが良いとできるか疑問は残るものの、関係性があることが分かった。

仮説1~3を検証した結果、仮説3が一番相関性が強いため、少し深堀りしていく。深堀りしないことには、「高校卒業時に大学へ進学させよう!」というような???な対策案を展開しかねない。このままでは真因が見えてこない。


そこで、今回は高校卒業時の進学率で相関性を調べたが、そもそもしつけを問題にするのであれば、他にも、親の所得、出生率、ひとり親世帯比率など、家庭環境を表しているような項目を調べるべきだ。 ⇒関連項目に関する相関性の調査(次回、第4回で検証予定)

また、親のしつけが原因という仮説を支持するのであれば、都道府県間の格差もあるが、時系列的な検証ができないだろうか。絶対に虫歯にならない特殊治療が発見された等の革命的な医療技術の進歩がないのであれば、今の沖縄は20年前の東京と同じだ、と言う風に考えることができる。⇒時系列データによる相関性の調査(次々回、第5回で検証予定)