2014/05/21

こどもの虫歯から、相関と因果を考える(第8回)

第7回までに、虫歯の都道府県格差から、さらに虫歯を減らすための施策を考えてきた。

高校卒業時の進学率と未治療歯のある者の割合との関係性
出所: 総務省統計局 日本の統計 2014、 文部科学省 学校保健統計調査(平成25年)を基に作成

出所:平成22年国勢調査人口等基本集計(総務省統計局)、
文部科学省 学校保健統計調査(平成25年)を基に作成

教育的な側面が大きいのでは、ということを裏付けるデータとして、上記の進学率やひとり親世帯の比率などと、虫歯未処置者割合の関係を示してきた。

しかし、これは単なる偶然ではないのか?


例えば、下のグラフのように、相関係数は非常に高いケースがあったとする。しかし、これは偶然と思われても仕方ない。
相関は非常に高いグラフ例

そこで、これらの相関について信頼性があるか確認・・・といってもこの辺りの説明は、専門家に任せた方がよいので、以下のサイトなどをご覧頂きたい。


結論として、p値は以下のようになった。

 高校卒業時の進学率 : 0.0006
 ひとり親世帯の比率  : 0.0011
 相関ほぼ1のグラフ例 : 0.0512

細かい説明を省略すると、高校卒業時の進学率やひとり親世帯の比率と、虫歯の関係性は、信頼できる高い相関があったと考えられる。(相関係数がほぼ1のグラフはあまり信頼性が高くない)

相関だ何だといいながら、ここまで様々なデータから施策を考えてきてみた。しかし実はここまでの流れは前時代的な検討方法だ。(8回もブログの記事にしておいて、何だ!!ということは忘れていただき)次回と次々回で、これからの分析に関する考え方の一端を紹介したい。