医局には、コーヒーメーカーがあったり、フリーの自販機があったり、軽食やスナック、フルーツが置いてあったりするところもある。医者は決まった時間に食事がとれないことが多く、ちょっとした時間で腹を満たしておくことは極めて重要だ。(本当は医者に限らず、全職種共通なのだが、医者だけ特別扱いのところが多いように感じる)
休憩室の配置を変えると業績が変わる。科学的に検証した話が、「職場の人間科学: ビッグデータで考える「理想の働き方」 (ハヤカワ・ノンフィクション) 」という本に書かれている。
チーム医療、チーム医療という割には、休憩室はチームではない。なのでコミュニケーションは公式なものが大半で、非公式なものが少ない。休憩室を意図的に配置すると、非公式なコミュニケーションが活発になり、結果として、職員のモチベーションが上がったり、業務効率があがったりするはずだ。
この本にはコールセンターの話が出てくる。かつて、いくつかのコールセンターの業務改善プロジェクトの経験があるだけに、興味深く読むことができた。コールセンターは看護部門と似ている。
コールセンターと看護部門の共通点
・ 職員の多くは女性
・ 離職率が高い
・ 休憩は全員同時に取ることが困難
・ 客からは常にプロフェッショナルであることを求められる
・ リーダーは人間関係の調整に多くの時間を割く
なので、この本は病院に置き換えて読むこともできる。
そもそも休憩室が分断していて、コーヒーメーカーの置く場所くらいでは病院の職員のコミュニケーションは変わらないだろう。でも、1日に1回、週に1回でもいい、特別な休憩時間を用意して、多くの職員がそこを訪れるようにしてはどうだろうか。
かつて所属していた外資系の会社では、常にドリンクやスナック、フルーツが取れるコーナーが用意してあったのだが、15時とかそういった決まった時間に、できたてのエッグタルトとか、ケーキとかが並び、そのタイミングで小休憩を取ることが多かった。すると、別のチームメンバーに出会って話をするようなことも自然と起きる。毎日「疲れた。」としか言っていなかったようにも思うが、それはそれで、良い息抜きだったのだろう。
休憩室を数多く作ることより、1点豪華主義で職員が望むような休憩室を作り、かつ、意図的にコミュニケーションを促すことが、チーム医療において重要なのかもしれない。
以前、病院組織が典型的な縦割り、サイロ型であることをブログに書いた。相変わらずだが、どこに行っても縦割りだ。
病院はサイロ型? たこつぼ型? - 医療、福祉に貢献するために |