2014/08/13

「他の患者の前で症状や薬の説明をされて嫌だった」「女性特有の病気なのに男性薬剤師に対応された」⇒嫌ならどうする?

今日の日経MJにあった記事「薬剤師、患者と交流会」。興味深い内容。

表題にしたのは、その記事にあった患者団体の参加者からの意見。こういった意見を聞き、今後、患者対応する際には、あらかじめ様々な思いを巡らせ、薬剤師が個々のニーズに応えようと努力することは不可欠だ。

でも、実は無理もある。はじめて入った料理屋で「何かアレルギーやお嫌いな食べ物はございますか?」と聞いてくれる店があるからといって、世の中、全部が全部、そんな店ではない。吉野家では絶対に聞かれないだろう。サブウェイでは「コンタミネーション」に対するアラートが表示されている(以前のブログ記事 ⇒コンタミネーションの恐れがあります)。

ではどうしたらいいか。

かかりつけの店・担当者を作ることだ。料理屋の例で続けるが、お客さんのアレルギーや好き嫌い、前回食べた料理やお酒、一緒に来た仲間のこと、会話されていた内容。それらを覚えてくれていて、「今日はこちらがおすすめです。前回召し上がられた○○と似ているのですが、この季節ならではの一品で、きっと気に入っていただけると思います。ご一緒に飲まれるお酒は、前回もお飲みになられた○○も合いますし、△△も合うと思います」なんて言われたら、悪い気はしないだろう。

こんな応対を期待するなら、1回きりの来店では無理だ。継続的に関係を構築するしかない(パーソナルデータの共有が進むと、いきなり初回から機微がわかるコミュニケーションができるかもしれない・・・という話はひとまず置いておく)。

薬局における接客は吉野家に近いのか。それとも料亭なのか。不満を伝えることも含め、関係の構築ができそうか否か、患者が相手を見極め、行動することが求められている。

一方、薬局側は、「相手を理解したい」ということがなければ、どんなに店内の内装をきれいにしたり、言葉遣い等の丁寧な応対をしたところで、患者は「吉野家みたい」という印象を少なからず持つことだろう。

なので、表題の嫌ならどうする?の答えは、以下のように考えられないだろうか。

「他の患者の前で症状や薬の説明をされて嫌だった」⇒他の患者の前で説明するような薬局を選んだ自分が悪い。そうでない(と知っているかかりつけ)薬局に行くべき。

「女性特有の病気なのに男性薬剤師に対応された」⇒かかりつけの女性薬剤師を見つけるべき。薬剤師を選ばないことが悪い。

別に薬局を選べないわけではない。自分が良いと思うところを探すべきだ。

※クリニックで「こちら、処方せんです。薬局で薬を処方してもらってください。お近くでは、このビルの向かい側に○○薬局さんがあります」なんて言われることがあるが、○○薬局に行く必要はまったくない。どこの薬局に行っても良い