2013/10/26

「名ばかり特区」にお困りなら、官房長官や大臣へ直接直訴を

昨日、神奈川県の黒岩県知事の講演を聞いた(黒岩知事は元フジテレビのキャスター、そののち国際医療福祉大学の教授を努められていたこともあり、医療にはかなり詳しい)。以前、別の大学の先生から神奈川県の取り組みについて伺ったことがあったので、知事の話を直接聞くことができるのは絶好の機会だ!と思い、講演に足を運んでみた。

未病の話(今、弊社の調査テーマのひとつ)もあったり、いろいろとためになる話ばかりだったのだが、ひときわ面白かったのは、特区に関する規制緩和の話。神奈川県で特区を作り、車の自動運転など様々なアイデアを加速させたいと思い、薬事法や道路交通法、電波法など様々な規制緩和をお願いしたところ、全部はねのけられてしまったとのこと。そこで神奈川ゆかりの菅官房長官と甘利大臣にお願いしたところ、今度は一転OKとなったというのだ。

セミナーで聞いたこととはいえ、実は問題があった!となると、書いてしまった自分の責任にもなりかねないので、ちゃんとしたところの文言を引用しておく。

以下、黒岩県知事、2013年7月30日定例記者会見 結果概要(http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/chiji/p682632.html)より引用
特区というのは当然、いろいろな規制緩和を求めているわけですね。今回も例えば電波法の規制だとか、薬事法の規制だとか、農地法の規制だとか、そういったものを具体的にこの規制をこんなふうに緩和してほしいというリストをずらっと並べて国と交渉していたわけですね。ところが、最初の交渉では全部バツといって、ゼロ回答だったわけですね。そういう意味で私も激怒して、ここでも言ったと思いますけれども、「名ばかり特区」だと。これまで日本政府で何度もこの特区ってやってきたのだけれども、特区がきっかけとなって経済がどんどん活性化したことはないわけですね、今までね。なぜかっていったら、同じこと。いろいろな規制緩和を求めても結局それが霞が関の担当課に話がいってそこで判断されると、ほとんどの、もう全部の規制が「NO」ですね、緩和が。それでは特区の意味がないじゃないか。特区というのはまさに特別な区域ということでありますから、まさか、アベノミクスの経済のエンジンを回そうという大きな使命を担った「さがみロボット産業特区」で、同じようなことが繰り返されたならば、これは、全部が崩壊するということで、これは強く申し入れました。「名ばかり特区」なんて冗談じゃないということを強く国に申しあげたところ、国というのは、菅官房長官にも申し上げたし、甘利大臣にも申し上げた。その後、積極的に両大臣も動いてくださったようで、今、まだ、全容を明らかにできませんけれども、かなり、びっくりするくらい、かなりですね、規制は緩んでまいりました。国もかなり前向きに動いてくれてきています。正面きって、この規制を外しますと、そういうことじゃない、いろんな知恵を出して、何とかして突破しようという気持ちになってくれてるということを肌で感じてですね、なんか、こう、すごい手応えを感じているところですね。
引用以上

ということで、これはおかしい!と思ったら、官房長官や大臣に直訴すべきということだろうか。今の時代、直訴なんて・・・と思いたいが、現実、効果抜群のようだ。